大学職員を目指す方は、エントリーシートを作成するうえでも、面接試験を受ける場合でも、大学職員の仕事内容をある程度理解しておく必要があります。そこでこの記事では、大学職員の仕事内容の紹介と、大学職員を目指す方が大学職員の仕事内容を理解しなければならない理由をお伝えいたします。また、大学職員の仕事理解ができる本やブログ記事を紹介します。
本ブログの仕事理解ができる記事の紹介
この記事の最後にも本ブログで紹介している大学職員の仕事内容が理解ができる記事のリンクを紹介させていただいていますが、最初から各業務の詳細を知りたいという方は以下のリンクから確認したい仕事の記事をご覧いただければと思います。
そうでない方は、次の「大学職員の仕事内容を理解しておく理由」から読み進めていただき、記事の最後にあるリンクから各業務の詳細をご確認いただければと思います。
<本ブログで仕事理解ができる記事一覧>
★大学職員の仕事①「学生支援の仕事」の紹介
★大学職員の仕事②「教務の仕事内容」の紹介
★大学職員の仕事③「就職支援・キャリア支援の仕事」の紹介
★大学職員の仕事④「産学連携・研究支援の仕事」の紹介
★大学職員の仕事⑤「留学支援の仕事」の紹介
★大学職員の仕事⑥「広報・入試の仕事」の紹介
★大学職員の仕事⑦「人事・総務の仕事」の紹介
★大学職員の仕事⑧「企画・財務・会計の仕事」の紹介
★大学職員の仕事⑨「情報システムの仕事」の紹介
大学職員の仕事内容を理解しておく理由
大学職員への就職・転職を目指すのであれば、大学職員の仕事内容についてしっかりと理解・イメージしておく必要があります。多くの大学では、一部の仕事分野(システム系など)を除いて、スペシャリストよりもジェネラリストを育てる傾向があり、大学職員の多くの人は幅広い仕事の経験をすることになります。
このため、面接の場においても特定の仕事だけをやりたいと主張するよりは、「幅広い仕事を経験しながら大学経営に携わっていきたい」や「〇〇はやってみたいが将来的には幅広い業務を経験し、学内で様々な方と一緒に仕事をし信頼を得ていきたい」などというような説明をすることになります。
そういった意味でも、大学職員となった場合にどのような仕事をする可能性があるかについては幅広く知っておく必要があります。
また、大学職員を目指すうえでは、自分なりの志望動機を作る必要がありますが、大学職員の仕事内容を理解しておくことは、志望動機を作る際にも役立つ場面が出てきます。
ただし、面接官としても細かい仕事内容の理解までは求めていないので、大学にはどのような分野の仕事があって、だいたいどんなことを担っているのか、自分が大学職員となった際の仕事のイメージをざっとしておけばよいと思います。
ときどき、大学職員の仕事をイメージができておらず、「大学経営に携わりたい」「教育をよくしたい」「組織に貢献したい」ということのみで、ふわっと乗り切ろうとする受験者もいますが、そのような場合は、「大学職員の仕事を理解していないな」と感じてしまいます。
また、受験者側としても、大学職員の仕事内容をある程度理解していないと面接試験の際にうまく回答できなくなってしまうので、合格の可能性を高めるためにも大学職員の職業理解は重要になります。
私自身も面接官として面接を行うと、「大学職員の仕事=学生を支援する仕事」と理解している人もいたりすので、ここでは、大学職員の仕事には学生支援の仕事だけでなく、様々な仕事があるということを理解してもらいたいと思います。
大学職員の仕事は楽なのか
大学職員の仕事内容の紹介の前に、皆さんからもよく聞かれる「大学職員の仕事は楽なのか」ということについて、私自身の考えをお伝えしたいと思います。本ブログの他の記事でも私の考えはお伝えしていますが、「仕事理解」という意味でも重要になるとここではざっと触れる形で紹介したいと思います。
私は大学職員になって10年以上になりますが、友達とかに言われる大学職員のイメージは「大学職員の仕事って楽なんじゃないの」というものです。私自身の感想としては、私も大学職員になる前は民間企業で勤務しておりましたが、やはり民間企業に比べれば楽なんだろうなと思っています。「楽」というよりは民間企業よりも「働きやすい」という感じです。
私自身も実際に勤務をしてみると、部署によっては恒常的に夜の10時過ぎまで残業を行っていたり、時期によってはタクシーで帰っている部署もあれば、残業することなんかほとんどない部署もありますし、精神的に辛い立場にある部署もあれば、仕事がすごく楽しいと感じる部署もあると思っています。
このような状況の中で、私自身がすべての民間企業のことを知っているわけでもありませんが、営業のように毎月数字に追われることが少ない、他の業界よりも外部環境を大きく受けにくい、週2日程度はしっかりと休める(土曜出勤のある大学はその分他の時期に休める)などを踏まえると、大学職員は民間企業よりも「働きやすい」と思っています。
この「働きやすい」がイコール「楽」なのであれば「楽」なのだと思います。
ちなみに私の知り合いの職員で民間企業から転職した人のほとんどは「転職してよかった」とか、「もう転職はできない」というようなことを言う人も多いです。
ただ、大学卒業後すぐに大学職員になった人の中には、「仕事がつらい」、「なんだかやりがいがない」と言って退職するような人もいますし、転職してきた方でも「なんだかイメージと違う」と言って退職する人もいたりします。
また、少し視点は異なりますが、特に新卒で大学職員となり、その中でもいわゆる「仕事ができる」「コミュ力が高い」と言われるような人は、「別の組織で自分の力を試したい」と感じて他の業界に転職したり、より偏差値の高い大学やより魅力のある大学に転職するという人も一定数います。このようなに前向きな退職ということもあります。
その中で、なんとなく感じているのは、転職してきた職員の人にとっては多少仕事がつらくても、「前の会社のほうがつらかったな」とか「友達の会社よりましかな」などと感じるような人は「大学職員のほうがよい」と思う傾向が強いのかなと思います。
また、転職者の場合は仕事にやりがいがないとか、仕事がつまんないと思ったとしても「仕事ってそもそもそんなやりがいなんて出ないしな」とか「おもしろい仕事なんてそんなないしな」などと思えるのかなと感じています。
私の知っている情報としてはこのような感じなので、決してすべての人にとって楽な仕事ではないということは理解してもらえればと思います。
また、大学で働いている人としては一般的に「大学職員の仕事は楽」というイメージには嫌悪感をもっています。このため当たり前ではありますが、面接の場では少子化などによって大学の競争は激しくなってきていて、大学の仕事も大変になってきており、仕事が楽だと思っているから大学職員を目指しているという印象を与えないようにしたほうがよいです。
ときどき自分の能力をアピールするために、「大学職員の仕事なら何でも対応できる」的なスタンスをとる応募者もいますが、実際にそうだったとしても面接での印象はあまりよくありません。
⇒(参考)大学職員コラム「大学職員に転職して10年になって思うこと」
⇒(参考)大学職員コラム「転職者から見て大学職員の仕事は楽なのか」
⇒(参考)大学職員コラム「大学職員の仕事上の大変さや辛さとは」
▼(会員限定)大学職員就職・転職対策サイトのご紹介▼
姉妹サイトの「大学職員就職・転職対策サイト」では、実際に応募した方のES作成例や面接試験で実際に出された質問など、一般では公開しにくい大学職員採用試験の生の情報を人数限定でお伝えしています。登録者が増えた場合は会員登録ができなくなりますので、ライバルに少しでも差をつけたいという方はお早めにご覧ください。
<よく見られる記事>
★大学職員志望動機・志望理由実例集
★大学職員ES項目別作成例集
★大学別面接試験で実際に出された質問(50大学以上)
★【100以上の面接試験を集計】面接試験で実際に出された質問TOP18
★【全12大学】最終面接で実際に出された質問まとめ
★応募する大学が抱える課題や弱みを確認する方法
★【全15個】テーマ別小論文作成例
★テーマ別グループディスカッション対策
★大学職員採用試験を受ける前に知っておくべきデータ66
大学職員の仕事内容
それでは本題の大学職員の仕事内容について紹介させていただきます。まずは皆さんが一番イメージしている仕事で、上記にも記載させていただきましたが学生と接する仕事として、学生支援の仕事や教務の仕事、留学生と接する仕事などもあります。
実際に自分が大学生だったときに色々な手続きをしてもらったという記憶もあると思いますし、そもそも志望動機として「学生を支えたい」とか「学生の成長を支援したい」などと思って大学職員を目指す人も多いので、誰もがイメージする仕事だと思います。
次に、先生方が研究を進めていく際の事務の面からサポートするような仕事や、研究で使う物品(機器類・消耗品等)・研究に関する書籍などの購入手続きや支払い手続きなどを行う会計的な仕事もあります。
このような会計的な仕事は一般の方にはあまりイメージができず、目立たない仕事ではありますが実は大学職員の多くの方がこのような裏方的な仕事に携わっていることが多いです。
そのほかにも、庶務や人事の仕事、産学連携や地域連携に関わる仕事、入試・広報に関わる仕事などもありますし、最近では地震や火事、事故、事件が起こったときのための危機管理(避難訓練や危機管理マニュアルの作成等)を行う仕事なども、重要視されてきており本当に幅広い仕事が存在しています。
面接試験の場で、大学職員の仕事内容について聞かれることもありますので、幅広い仕事があり、学生と接する仕事ばかりでないことを理解しておく必要があります。
大学職員の仕事理解ができる記事の紹介
このブログでは大学職員の仕事を大きく9つのカテゴリーに分けてご説明をしています。大学によってはもっと細かく分かれているところもありますし、規模が小さい大学では1人で2~3つの分野の仕事を行うこともありますが、採用試験の際にイメージをしておくべき最低限の仕事をまとめてみました。
このブログで紹介している仕事以外にも、施設管理の仕事、図書館の仕事、病院のある大学では病院を支える仕事などもあります。
★大学職員の仕事①「学生支援の仕事」の紹介
⇒学生生活全般の相談への対応、サークル・部活などの運営サポート、様々な学生トラブルの事前防止・注意喚起、学生寮の管理・運営、学園祭などの学生が主体的に行う行事のサポート、奨学金の申請受付や交付の決定手続き、施設貸出の手続き、学生からの要望への対応
学生の対する各種サポート制度の企画・実行など仕事について紹介しています。
★大学職員の仕事②「教務の仕事内容」の紹介
⇒履修相談、履修登録の手続き、シラバス(授業計画書)の作成、時間割の作成、各種ガイダンス・イベントの実施・運営、定期試験への対応、退学や休学の手続き、非常勤講師の手配・手続き、学生の成績を保護者への通知、他大学との単位互換手続き、教職免許等の資格取得の手続き、FD(ファカルティ・ディペロップメント)の企画・運営などの仕事について紹介しています。
★大学職員の仕事③「就職支援・キャリア支援の仕事」の紹介
⇒学生向けイベントの開催、インターンシップ先の開拓、求人の整理・紹介、大学のイベントに参加してくれる企業の開拓、学生の進路(進学・就職・未定など)の把握、就職・キャリア相談、その他新たな就職・キャリア支援の企画・実行などの仕事について紹介しています。
★大学職員の仕事④「産学連携・研究支援の仕事」の紹介
⇒教員の外部資金獲得のための支援、共同研究や受託研究の契約手続き、知的財産の管理や活用の視線、研究倫理への対応、研究成果の発信、先生方の事務負担の軽減、企業等と連携した公開講座の企画・運営などの仕事について紹介しています。
★大学職員の仕事⑤「国際化(グローバル化)の仕事」の紹介
⇒外国人留学生・研究者の受け入れ外国人留学生・研究者の生活サポート、外国人留学生ための日本語講座やイベントの企画・運営、留学生寮の管理・運営、海外の大学等と国際交流協定などの締結、日本人学生のための語学力向上に関する講座の企画・運営、日本人学生の留学のサポート、キャンパスの国際化(グローバル化)などの仕事について紹介しています。
★大学職員の仕事⑥「広報・入試の仕事」の紹介
高等学校や予備校等への大学のPR、高校生対象の進路イベントへの参加、オープンキャンパスの企画・運営、大学案内(パンフレット)の作成、大学ホームページの管理・運営、大学のPRの動画の作成、各種SNSの運営、入試募集要項の作成、入学試験(推薦入試や一般入試等)の実施、新しい入試の検討(入試改革)、一般の方などからの問い合わせへの対応、悪意のある書き込みへの対応、記者会見対応などの仕事について紹介しています。
★大学職員の仕事⑦「人事・総務の仕事」の紹介
⇒教員や職員の採用・昇任の手続き、教員や職員向けの研修を企画・運営、教員や職員の評価(勤務評定)、教員や職員の給与・諸手当の決定し・支払い、災害などが起きた際の危機管理、避難訓練などを企画・実施、労働組合との交渉などの仕事について紹介しています。
★大学職員の仕事⑧「企画・財務・会計の仕事」の紹介
⇒理事会や経営会議などの会議の運営、予算の査定・決定、資産運用、新たな収入源の確保、大学改革の推進、監査への対応、認証評価への対応、教育・研究活動等に必要な物品等の契約手続きと支払い、決算書類の作成などの仕事について紹介しています。
★大学職員の仕事⑨「情報システムの仕事」の紹介
⇒大学の情報ネットワーク・システム環境の維持・管理、システムに関する申請手続き対応、システムに関する問い合わせ・トラブル対応、学生への情報機器(ノートパソコン等)の貸し出し、情報リテラシー教育の企画・運営、メディア教育(E-Learning、授業のビデオ録画)の企画・運営、情報セキュリティに関する研修の企画・運営、システム面からの業務の効率化などの仕事について紹介しています。
★医学部(病院勤務)のある大学に応募する際に知っておきたい病院での仕事内容★
⇒実際に病院勤務を行っている職員の方から大学職員として病院で働く際の13個の疑問にお答えいただきました。
質問①:医学部(病院勤務)のある大学でも大学にしか配属されないという募集はあるか
質問②:大学に配属される人と病院に配属される人の割合はどれくらいか
質問③:病院採用の医療事務の方と仕事内容は違うのか
質問④:医学部(病院勤務)がある大学の職員は医療事務資格を持っていたほうが有利なのか
質問⑤:病院でも採用しているのになぜ大学職員が病院に配属されるのか
質問⑥:医師や看護師との関りはどのようなものがあるか
質問⑦:病院に配属になった場合は有給休暇が取りにくいなどの状況はあるか
質問⑧:大学職員として採用されて病院に配属された場合の仕事内容はどのようなものあるか
質問⑨:大学職員として採用された人の中で病院で働き続けたいと思う人はいるか
質問⑩:病院の中で人気の部署はあるか
質問⑪:病院勤務の魅力や大変だと感じる点はどのようなものか
質問⑫:退職している方の理由はどのようなものが多いか
質問⑬:これから医学部(病院勤務)のある大学を応募する方が知っておいたほうがよいことはあるか
大学職員の仕事内容を理解しておく理由と仕事理解ができる記事の紹介まとめ
大学職員を目指すのであれば、大学職員の仕事理解は避けることはできないと思います。
私のブログに記載されていることがすべてではないので、色々なサイトや記事を見ながらご自身の仕事理解を深めていただければと思います。