この記事では、大学職員採用試験の中でも、「医学部(病院勤務)」のある大学に応募する方が、病院での仕事内容について理解できるように、実際に大学職員として病院に配属されたことのある方からお聞きした情報をお伝えします。
はじめに
大学職員への就職・転職を目指す方は、複数の大学に同時に応募する方が多いですが、その中に医学部(病院勤務)のある大学に応募する方もいます。
そのような方から「医学部(病院勤務)の大学は一般の大学と比べて何か違いはあるのか」「病院に配属される可能性はどれくらいあるのか」などという質問を受ける場合があります。
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また、医学部(病院勤務)のある大学では、多くの場合、面接試験で「病院に勤務することもあるけど大丈夫ですか」などと聞かれることもあります。
この場合は当然に「問題ありません」と答えることになりますが、大学によっては「病院勤務についてどのように考えていますか」などと、病院での仕事内容などを理解していないと答えることが難しい場合もあります。
私自身は医学部(病院勤務)のない大学で勤務しているので実際のところはわからないのですが、実際に大学職員として病院で働いている方にお話を聞くことができましたので、この記事で共有したいと思います。
この記事を見るうえでの注意点
この記事は現在大学職員として病院で勤務しているおひとりの方に聞いた情報となります。
この方は「〇〇医科大学」という医療系に特化した大学ですので、総合大学で医学部があるような大学とは事情が異なる可能性があります。
また、大学によっても状況は異なると思うので、あくまで1大学の情報と言うことでご覧いただければと思います。
質問①:医学部(病院勤務)のある大学でも大学にしか配属されないという募集はあるか
<私からの質問>
大学にしか配属されないというような募集はあるのでしょうか。それとも基本的にはすべての職員が病院にも配属になる可能性があるというようなことでしょうか。
<回答>
大学にしか配属されない募集はなく、基本的に大学職員として総合職の採用になります。また、時々病院特定専門職員の募集はあります。
質問②:大学に配属される人と病院に配属される人の割合はどれくらいか
<私の質問>
大学に配属される人と病院に配属される人の割合はどれくらいでしょうか。その際に、新卒は比較的配属される傾向が高いとか、ベテランで大学の中枢のポジションに配属されるような人はその後は大学に配属され続けることが多いとか、病院への配属は若い時期のみで〇年以上勤務すると大学に配属される可能性が高くなるとか、最初に病院勤務になってしまったらその後も病院に配属され続ける可能性が高いなどの傾向はありますでしょうか。
<回答>
最近は大学6割、病院4割の割合で配属されるイメージが強いです。
10年以上前は新卒は医事課配属が多かったそうですが、やめる職員も多かったため現在はその傾向は小さくなっています。
新卒の時に医事課配属で成果を出した方は、比較的若い年齢で係長や課長代理になっています。
また、人によっては医事課配属になってから10年以上そのまま異動のない方もいます。
質問③:病院採用の医療事務の方と仕事内容は違うのか
<私からの質問>
病院に配属される場合ですが、病院としても医療事務資格を持っている人などを採用しているイメージがありますが、このような方々と仕事の内容に違いはあるのでしょうか。また、同じような仕事をしている人としては、大学採用の人、病院採用の人、人材派遣スタッフ、委託スタッフ等がいるようなイメージでしょうか。同じような仕事をしている色々な人がいる中で、待遇面では大学職員として採用された人が一番よいという理解でよろしいでしょうか。
<回答>
医療事務資格を持っている方は、基本的に病院特定専門職として採用された方が多いので、仕事内容はやや異なります。
スタッフも法人採用の方や委託スタッフ、派遣スタッフなど人間関係は複雑です。待遇としては大学職員のほうが一番いいと思います。
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質問④:医学部(病院勤務)がある大学の職員は医療事務資格を持っていたほうが有利なのか
<私からの質問>
大学採用以外の人は、もともと「医療事務」の資格を持っていたり、経験があったりする人が多いと思いますが、大学採用の人もそのような傾向が強いのでしょうか。それとも、大学採用の人は、「医療事務」系の資格や経験をもっているケースは少なく、採用後に「医療事務」系の資格を取得したり、実務上必要な知識を勉強するようなイメージでしょうか。
<回答>
大学採用の人は、現場で1から職員や派遣スタッフの方から医療知識を学ぶイメージです。
質問⑤:病院でも採用しているのになぜ大学職員が病院に配属されるのか
<私からの質問>
病院で勤務する人については、病院の直接採用や派遣スタッフ、委託スタッフ等だけでもよいような気もしますが、大学職員として採用してまで病院に配属するというような運用をしている理由はわかりますでしょうか。もし、おわかりになるようでしたら教えていただけますと幸いです(一定の人数は大学のことと病院の両面を理解している人材が必要というようなことでしょうか)。
<回答>
以前役職者の方から、医科大学の運営において現場を知ることが大事なので、できる限り若いうちに医事課をいろいろな人に経験させたいという話をききました。
質問⑥:医師や看護師との関りはどのようなものがあるか
<私からの質問>
大学職員として採用され、病院に配属された場合、医師や看護師などとはどのような関わりがありますでしょうか。
<回答>
診療費の計算や、施設関連の話などで関わりがあります。
質問⑦:病院に配属になった場合は有給休暇が取りにくいなどの状況はあるか
<質問>
大学職員として採用された場合、大学勤務の場合と病院勤務の両方になる可能性があると思いますが、仮にそれぞれを比較した場合、給料や福利厚生などの制度面は同じだと理解していますが、例えば、病院勤務の場合は夏季休暇や有休休暇が取得しにくいなど、大学勤務と病院勤務で異なると感じることはありますでしょうか。
<回答>
病院勤務においても診療費の計算に関わる係は休日出勤が多く、休みが取りづらいなどありますが、その他において大差はないと感じています。
しかし、現在はコロナ禍の影響で大学勤務よりも全体的に病院勤務の方は休みが取りづらい様子です。
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質問⑧:大学職員として採用されて病院に配属された場合の仕事内容はどのようなものあるか
<私からの質問>
大学職員として採用され、病院に配属された場合の仕事内容はどのようなものがありますでしょうか。
<回答>
・病院での受付対応(患者さんの案内等)
・入退院の手続き
・会計窓口での対応、料金の計算、支払い手続き、料金の督促
・病院で必要な事務用品や医療材料、医薬品等の購入(契約手続き)やその支払い
・病院内の庶務業務
・病院内の職員向けの研修の企画・運営
・患者さん向けの院内イベントの開催
・病院の経営方針・経営戦略等の策定?
質問⑨:大学職員として採用された人の中で病院で働き続けたいと思う人はいるか
<私からの質問>
病院勤務を敬遠するような方(医学部のある大学の採用試験は受けないといっている方等)が一定数いるような気がしていますが、大学職員として採用され、実際に病院に配属されて病院勤務を経験した後に、病院勤務に魅力を感じ、「病院でずっと働きたい」というような大学職員の方は一定数いらっしゃるのでしょうか。
<回答>
私の知る限りでは聞いたことありませんが、同じ病院であっても、直接患者さんと接する部署ではなく、病院の庶務系の部署ではやりがいを感じている方もいると思います。
質問⑩:病院の中で人気の部署はあるか
<私からの質問>
病院に配属される場合でも色々な部署や業務があると思いますが、病院勤務の中で人気のある部署や業務と敬遠されている部署や業務などはあるのでしょうか。
<回答>
病院管理課(病院の庶務系)で企画係は人気があると思います。敬遠されている部署はやはり患者さんと直接担当する部署で、特に入院対応をする部署は休日出勤が多く大変です。
質問⑪:病院勤務の魅力や大変だと感じる点はどのようなものか
<私からの質問>
大学勤務でも病院勤務でもそれぞれ魅力に感じる点と、大変だと感じる点があると思いますが、病院勤務の魅力と感じる点や、大学勤務と比較した病院勤務の大変だと感じる点はありますでしょうか。
<回答>
患者様から感謝の声をいただいたり、難しいケース(未収金回収)などに対応できたときにはやりがいを感じます。
大学勤務の時よりバタバタしていますが、いい経験になっています。
質問⑫:退職している方の理由はどのようなものが多いか
<私からの質問>
現職の大学職員として採用された人で、結果的に退職してしまった人の退職理由にはどのような理由が多いでしょうか。
<回答>
メンタル的な問題や、他大学や別業種への転職が多いです。
質問⑬:これから医学部(病院勤務)のある大学を応募する方が知っておいたほうがよいことはあるか
<私からの質問>
これから病院への配属の可能性ある大学職員の採用試験を受ける人に向けて、事前に理解しておいたほうがよいことや、知っておいたほうがよいと思うことはありますでしょうか。
<回答>
元々病院自体、患者様は体調もよくない状態で、好きで来ている場所ではないので、理不尽なことを言われたりすることはもちろんあります。
また、職員よりも委託スタッフや派遣スタッフの方が割合が高く、仕事内容も職員とほぼ同等であるため、一部ですが職員の待遇をひがみ、人間関係が複雑になるケースもあります。