大学職員面接対策

大学職員の面接試験で「短所(弱み)」を聞かれたときの回答のポイント

この記事では、大学職員の面接試験で「短所(弱み)」を聞かれたときにどのような回答をすべきかを検討できるように、面接官が「短所(弱み)」を聞く理由や避けるべき回答、「短所(弱み)」の回答のポイント等を解説いたします。また、面接対策の参考になるように「短所(弱み)の新卒・転職(中途採用)別の回答例を紹介します。

はじめに

大学職員の面接試験では、「自己PR」や「長所(強み)」は当然に聞かれますが、「短所(弱み)」についても聞かれる場合があります。

「短所(弱み)」については、回答内容によっては「これを言ってしまってもよいのか」「大学職員としてマイナスな印象になるような「短所(弱み)」ではないか」などと心配になったりする人ともいると思います。

また、人によっては「短所(弱み)」と言われても、社会人経験も長くこれまでに改善してきているので、あえて「短所(弱み)」と言うほどのものもあまりないという人もいると思います。

そこでこの記事では、面接官が「短所(弱み)」を聞く理由や避けるべき回答、「短所(弱み)」の回答のポイント等を紹介することで、大学職員を目指す皆様の回答内容の検討の参考にしていただければと思っています。

面接官が「短所(弱み)」を聞く理由

まずは面接官が「短所(弱み)」を聞く理由を知っておきましょう。なんとなく「短所(弱み)」を聞くことでその人の能力を見定めているような感じもしますが、面接官が「短所(弱み)」を聞く理由はそれだけではありません。

面接官が短所(弱み)を聞く主な理由は、

・自己分析がしっかりできているか
・どのような人柄で大学の雰囲気に合う人材か
・業務を進めるうえで大きな障害になるような短所(弱み)はないか
・短所(弱み)を改善しようとする姿勢はあるか(自分で課題を設定しそれを改善できるか)
・話しにくいネガティブな質問に対してどのように答えるか

などを知るためと言われており、色々な観点を見ていることになります。

どんな質問でも、面接官の意図を踏まえたうえで回答を考えたほうがより適切な回答ができますので、「短所(弱み)」についてもこのような意図があるということは理解しておくようにしましょう。

また、「短所(弱み)を伝える=マイナス評価」というわけではなくて、自分の人柄を伝えることができる場合もありますし、短所(弱み)に対する行動で自分自身をアピールできる場合もあることも知っておくとよいと思います。ここからはそれぞれの趣旨についてももう少し詳しく説明していきます。

自己分析がしっかりできているか

就職・転職活動における自己分析は、応募者の視点では「自分に合った職業」や「自分に合った企業・大学」を探すために実施するものだと思います。

ただ、採用側としてはそのような視点だけではありません。

仕事をしていくうえでは、自分に足りないものは何かを自分自身で考え、それに対して自分なりに改善したり、克服していくことが求められます。

このため、面接官としては自己分析ができているかできていないかを見ることで、応募者の仕事振りもイメージしています。

「自己分析がしっかりとできていない」と思われてしまうと、実際の仕事もうまく進めることができないと思われてしまう可能性もあるので、しっかりと自分なりの結論を出しておくようにしましょう。

どのような人柄で大学の雰囲気に合う人材か

企業によっても社風が異なると言われるように、大学も各大学の雰囲気は異なっていて、大学としては自分の大学の雰囲気に合う人を採用したいと考えています。大学の雰囲気に合っていない人だと退職しやすくなってしまうということもありますからね。

応募者の人柄については、「短所(弱み)」だけで判断するものではないですが、「短所(弱み)」を聞くことで、その人の人柄をイメージする1つの材料としています。

例えば、協調性を大事にする大学で、短所(弱み)が「頑固」や「気が強い」だったりすると、ちょっと相性が悪いということになったりします。

このように「どのような人柄で大学の雰囲気に合う人材か」を判断するために「短所(弱み)」を聞いています。

業務を進めるうえで大きな障害になるような「短所(弱み)」はないか

大学の業務の特徴としては、

・同じ組織に職員と教員がいて意思決定が複雑である
・教員、学生、保護者、地域住民、地元自治体、企業等の多くのステークホルダーと関わる
・資料作成などの裏方の仕事も多いが企画、提案、改善していく仕事も増えている

などがあると思っています。

例えば、「短所(弱み)」が「説明が苦手」「論理的に説明できない」などであれば、先生方と一緒に働くことは難しいかもしれません。

また、「引っ込み思案」「新しいことが苦手」なども今の大学の業務ではアピールしにくいかもしれません。

このように「短所(弱み)」を聞くことで大学の業務との相性も見ています。

「短所(弱み)」を改善しようとする姿勢はあるか(自分で課題を設定しそれを改善できるか)

短所(弱み)は誰にでもあるものですが、その短所(弱み)に対して、自分としてどのように向き合い、どのように改善・克服しようとしたり、工夫・努力してきたかも重要になります。

短所(弱み)に対して、何もしてこなかったという人はあまりいないのですが、やってきたことのレベル感はかなり変わってきます。

このため、面接官としては工夫や努力のレベル感を確認して、その人が自分の持っている課題に対してどれくらい改善できる人かを見ています。

「短所(弱み)」については、例えば「人前で緊張してしまう」という人が、場数を踏んだことで「短所(弱み)」から卒業するということもあるので、解決の過程にあるものや、すでにある程度解決したものを紹介してもよいかもしれません。

話しにくいネガティブな質問に対してどのように答えるか

面接試験では限られた時間の中で色々な質問をして、応募者の回答内容や回答の仕方・振る舞い・リアクションなどを見て応募者の合否を判断していきます。

質問には、志望動機や自己PRのような応募者が前向きに話しやすい質問もあれば、これまでの経験の確認など淡々と事実を話せばよい質問、これまでに失敗したことなどのあまり積極的に話しにくい質問など、色々なパターンの質問があります。

このような色々なパターンの質問を行うことで、面接官は応募者を短い時間の中でできる限り理解しようとします。

「短所(弱み)」はどちらかと言うと「積極的に話しにくい質問」になりますが、このような質問をすることによって、話しにくいことに対する説明力を見たり、仕事で同じような状況になったときにどんな対応をしてくれるかをイメージしたりしています。

このため、「短所(弱み)をうまく説明することによって、説明力のアピールにつながることもあります。

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「短所(弱み)はありません」と言うのはアリか

これまでに色々な経験を積んできたり、もともと何でもうまく対応できるような人など、あえて言うほどの「短所(弱み)」がないという人ももしかしたらいるかもしれません。

ただ、面接試験で「短所(弱み)はありません」と答えてしまうと、「自己分析ができていない」と思われてしまったり、「自分への評価が甘いのでは」「自分の非を認めることができなのか」などと思われてしまう可能性があるので基本的には「短所(弱み)はありません」と回答するのは避けたほうがよいです。

先ほどもお伝えしましたが「短所(弱み)=マイナス評価」ではなく、自分の弱さに対してこんなことをやってきたなどと自分をアピールすることのできる質問でもあるので、改めて自分自身を見つめ直して、面接試験で回答する「短所(弱み)」を準備しておくようにしましょう。

短所(弱み)は正直に答えたほうがよいか

基本的に正直に答えたほうがよいですが、すべて正直に答える必要はありません。

「短所(弱み)」の回答を考える際は、いくつかの候補が出てくると思いますが、その中からあまり面接への評定にマイナスにならなさそうなものを優先して答えるようなイメージです。

どのような回答を優先すべきかについては、

・各大学が求める人材像に反しないものにする
・大学の業務の特徴を踏まえて大きな障害となるものでないものにする
・以下で紹介する「「短所(弱み)」を伝えるうえで避けるべき回答」に該当しないものにする

という視点から決めればよいと思います。

また、

・これまでに改善の努力をしてきたもの
・これから成長させていきたいと考えているもの

なども前向きな説明がしやすいという意味で意識するとよいと思います。

ただ、嘘はつかないようにしてください。嘘をついてしまうと後々回答の整合性がとれなくなってしまったりするので、嘘ではなくしっかりと自己分析をしたうえで自分に合致している「短所(弱み)」を伝えるようにしましょう。

大学職員採用試験ではどれくらい「短所(弱み)」を聞かれるのか

私はこれまでに約100人の大学職員への就職・転職を目指す方からご相談を受けていて、そこでは面接試験で実際に出された質問を情報共有いただけることがあります。

その中で、「短所(弱み)」に関する質問があったのは、面接全体の1~2割程度という感じでした。

このため、絶対聞かれるという質問ではありません。ただ、面接試験が内定まで3回あるとすると、3回のうちどこかの面接で聞かれるという観点で言えば、それなりに聞かれる可能性は高いとも言えます。

また、エントリーシートにすでに「短所(弱み)」を記載しているケースもあって、そのような大学はあえて面接では聞いていない可能性もあるので、応募者の「短所(弱み)」を把握しようとしている大学はもっとあると思ってよいと思います。

このため、面接全体の1~2割とはいえ、聞かれる可能性はそれなりにありますので、できれば準備をしておくとよいと思います。

大学職員採用試験で実際にあった「短所(弱み)」の質問の聞き方

「短所(弱み)」と質問と言っても、面接では色々なパターンの聞き方があるので、単に「あなたの短所は何ですか」や「あなたの弱みは何ですか」などという質問だけでないことを理解しておくとよいと思います。

せっかく「短所(弱み)」の回答を準備しておいても、面接官が想定していない聞き方をしてきたときに混乱してしまい、うまく回答できないということにもなってしまいますが、いくつかのパターンがあることを知っておくことで落ち着いて対応できるようになります。

これまでに大学職員の面接試験で実際に出された「短所(弱み)」に関する質問としては、

・あなたの「短所(弱み)」を教えてください。
・あなたの「長所(強み)」と「短所(弱み)」を教えてください。
・周りからあなたの「短所(弱み)」は何だと言われますか。
・あなたの「長所(強み)」と「短所(弱み)」を業務経験と絡めて教えていただけますか。
・「短所(弱み)」に自分自身で何か努力していることはありますか。

などがあったと報告されています。

「長所(強み)」と一緒に聞かれたり、場合によっては「短所(弱み)」に対してどんな努力していることが聞かれるなど、色々なパターンがあります。

ただ、これらをすべて準備しておくことは時間的に難しいですし、ここばかりを準備をしても就職・転職活動全体の対策にはなりません。

このため、「短所(弱み)」に関する質問があったときに回答する「自分なりの核となる内容」については準備しておき、それ以外の要素については面接の場で可能な範囲で対応するという形にするしかないと思います。

面接で伝える「短所(弱み)」の探し方

自分自身の「短所(弱み)」を探すには、大きく「自分自身で探す」と「他者に聞く」という方法があります。

「自分で探す」については、何となく自分自身でわかっている部分もあると思いますが、改めて過去の失敗体験を思い出してみたり、自己分析ツールなどを使って探してみるとよいでしょう。

「他者に聞く」については、仲の良い友人や家族、一緒に働いたことのある人などに評価してもらうことになりますが、自分の視点と他者の視点は異なっていることも多いので、できれば「他者に聞く」ということもやってみるとよいでしょう。

他者に聞いてみると、自分で思っている「短所(弱み)」が実はそうでもないことに気が付いたり、自分が思ってもなかったことが「短所(弱み)」だと思われていることもあります。

「他者に聞く」際は、できれば「短所(弱み)」だけでなく「長所(強み)」も聞くことで、より深い自己分析につなげることができると思います。

「短所(弱み)」を伝えるうえで避けるべき回答とは

ここで面接試験において「短所(弱み)」を聞かれた際に避けたほうがよい回答をいくつか紹介します。実際の面接試験ではあまり的外れな回答をする人はいないのですが、油断しているとポロって言ってはいけないことを言ってしまうこともあると思うので、避けるべき回答は頭の片隅に入れておくようにしましょう。

社会人として問題となる「短所(弱み)」を言ってしまう

例えば、「時間が守れない」「遅刻が多い」「責任感がない」「約束を守れない」などのそもそも社会人として必要となる「基本的なマナーがない」と思われる回答は避けるようにしましょう。

面接試験では、面接試験全体を通じて応募者が1つの組織で働く社会人としての基本的なマナーや基礎的な能力があるかも見定めています。

そのような中でで、「短所(弱み)」として応募者自身がこのような内容を伝えてしまうと、面接官もそのような人なんだなという印象を強く持ってしまい、結果的に不合格になる確率が高くなってしまいます。

仮に、「素直さ」をアピールしたい人であっても、このような社会人として基本的なマナーがないと思われてしまうような回答はしないようにしましょう。

自分の「長所(強み)」や「自己PR」と整合性が取れていないことを言う

例えば、自分の「長所(強み)」や「自己PR」として、「人と巻き込むことができる」と言っておきながら、「短所(弱み)」が「一人で抱え込んでしまうことがある」などであった場合は、面接官としてはどっちが本当のことを言っているかわからなくなってしまいます。

また、「長所(強み)」が「忍耐強い」で「飽きっぽい」なども同じですね。

このように整合性が取れていないことを言ってしまうと、面接全体における発言の信頼性も揺らいでしまうので、自分の「長所(強み)」や「自己PR」については、エントリーシートにどのように記載したか、面接でどのように発言したかなども踏まえながら「短所(弱み)」を考える必要があります。

嘘を言ってしまう

自分をよく見せるために自分自身の「短所(弱み)」を理解しているにも関わらず、それとは異なることを言ってしまったり、マイナスな印象を与えないようにするために当たり障りのない内容にしてしまうなど、嘘をついてしまう人もいます。

また、自己分析をしっかり行わないためにあまり「短所(弱み)」について深く考えていなくてなんとなく適当なことを言ってしまい、それが結果的に嘘だったということもあります。

面接官はこれまでにも多くの面接試験をしていたり、部下とも何度も面談をしたりしているので、嘘をついていたり、適当な回答をしているのは何となくわかってしまいます。

また、嘘をついてしまうと、その後の面接の中でも、その回答と整合性をとりながら話さなければならなくなってしまうので、余計な負担を自分にかけてしまうことになります。

これは「短所(弱み)」に限ることではありませんが、面接の中で嘘をつくのは避けましょう。

仕事とは関係のない「短所(弱み)」を言う

例えば、「お金遣いが荒い」「ギャンブル好き」「太っている」などのように、自分自身の「短所(弱み)」だと思っていることだとしても、仕事とは関係のない「短所(弱み)」を言うのは避けましょう。

このような回答をしてしまうと、質問の意図が汲み取れない人と思われてしまいます。仕事でも少ない情報の中から自分なりに真意を探り、それに対応していくということも多いので、仕事に関する「短所(弱み)」が思いつかないからと言って、このような回答はしないようにしましょう。

「短所(弱み)がない」と言ってしまう

これは先ほどの「「短所(弱み)はありません」と言うのはアリか」でも説明をしたので詳細は省略しますが、「自己分析ができていない」「自分への評価が甘いのでは」「自分の非を認めることができなのか」などと思われてしまうので「短所(弱み)がない」という回答は避けましょう。

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大学職員を目指す人が避けるべき「短所(弱み)」とは

上記では一般的に避けるべきと言われている「短所(弱み)」の特徴について紹介いたしましたが、ここでは大学職員という職業を踏まえた避けるべき「短所(弱み)」を考えてみたいと思います。

まずは各大学が求める人材像を押さえる

大学職員を目指す人がまず押さえておくべきなのは、各大学が求める人材像です。

各大学が求める人材像は各大学の採用ページや募集要項、求人が掲載されている転職サイト等に掲載されています。

このような人材像と不一致になるような「短所(弱み)」はできるだけ避けておくことが無難になります。

もちろん努力・工夫することで改善できるものであれば問題ないですし、自分の自己PRの補強になるようなものであればよいと思います。

ここでは、各大学が求めている能力が明らかに不足していて改善も難しいというような印象にならないようにしたほうがよいという趣旨として理解していただければと思います。

大学が求める人材像とは

「大学が求める人材像」は大学によって当然に異なりますが、大学によって端的な言葉で表している大学もあれば、「文章」で表していたり、1つの文章で複数の能力をまとめて表している場合もあったりと、表現方法がそれぞれ異なっています。

ただ、これらをよく読んでみると、表現方法が異なってはいるものの、多くの大学ではそれなりに共通している部分も多いと考えています。

そこで、仮に共通している人材像を挙げてみると、

・主体性やチャレンジ精神のある人材(前向きさ・自己研鑽力含む)
・新たな価値を創造でき、改善・改革を進めていける人材(実行力含む)
・多様な価値観を受け入れ、多様な人と協働できる人材(協調性・柔軟性・コミュニケーション能力含む)
・忍耐力のある人材(責任感含む)

などのようなものが挙げられると思います(もちろん色々な表現があるのであくまで一例になります)。

まずは、このあたりの人材像と反するような「短所(弱み)」にならないようにしていけばよいと思います。

大学が求める人材像に反する「短所(弱み)」とは

次に、上記の大学が求める人材像を踏まえ、この人材像に反する「短所(弱み)」とはどのようなものか考えられえるかを紹介します。この部分はあくまで私自身が個人的に感じるところになるので、1つの参考にしていただければと思います。

また、繰り返しになりますが、努力・工夫することで改善できるものや、自己PRの補強になるようなものであれば、これに縛られる必要はありません。

・主体性やチャレンジ精神のある人材(前向きさ・自己研鑽力含む)
⇒「ネガティブ思考」「臆病」「好奇心が弱い」

・新たな価値を創造でき、改善・改革を進めていける人材(実行力含む)
⇒「主体性がない」「引っ込み事案」「傷つきやすい」「新しいことが苦手」

・多様な価値観を受け入れ、多様な人と協働できる人材(協調性・柔軟性・コミュニケーション能力含む)
⇒「チームプレイは苦手」「協調性に欠ける」「頑固」「融通が利かない」「気が短い」「感情的」

・忍耐力のある人材(責任感含む)
⇒「自分に甘い」「打たれ弱い」「落ち込みやすい」「繊細」「飽きっぽい」

面接試験で「短所(弱み)」を説明する際のポイント

面接試験で「短所(弱み)」を説明するうえでいくつか押さえておきたいポイントがあります。

回答内容が同じであっても、説明の仕方によっても伝わる印象が変わってしまいますので面接試験で「短所(弱み)」を説明する際には、以下のような流れを意識するとよいでしょう。

①まずは結論を簡潔に話す
②自分自身で「短所(弱み)」と結論付けたエピソードを伝える
③改善・工夫・克服してきたエピソードを伝える
④必要に応じて次のステップ(やろうと思っていることや入職後のイメージ)を伝える

また、私自身がこの質問を通じてよい印象を受けるのは、

・「短所(弱み)」も素直に認めるという姿勢
・他者に客観的に評価してもらい周りの意見も受け入れている姿勢
・自分が抱えている課題に対する行動力

などが感じられたときですので、このようなことが「面接官に伝わるか」という点も意識しておくとよいと思います。

「短所(弱み)」にはどんなものがあるか(短所(弱み)一覧)

実際に自分自身の「短所(弱み)」を考えるうえでは、「短所(弱み)」を表現できる言葉にどのようなものがあるかを知っておくと考えやすいと思うので、ここで「短所(弱み)」の例を紹介します。

上記の「短所(弱み)」を説明する際のポイントで紹介した「①まずは結論を簡潔に話す」の部分の参考にしていただければと思います。

<コミュニケーションが苦手系>
マイペース、人に合わせるのが苦手、人見知り、人づきあいが苦手

<こだわり強い系>
自己主張が強い、頑固、負けず嫌い、熱中し過ぎる性格、でしゃばり(出たがり)、おせっかい

<こだわり弱い系>
おおざっぱ、楽観的、飽きっぽい

<はっきりしない系>
優柔不断、周りに流されやすい、断れない性格、感情をあまり表に出さない、遠慮しがち

<メンタル弱い系>
ネガティブ、心配性、考え過ぎる、自分に自信がない、繊細、真面目過ぎる、神経質、慎重、他人の目が気になる、緊張しやすい、ストレスに弱い、忍耐力がない、

<我慢できない系>
せっかち、気分屋、怒りっぽい、短気、周りが見えなくなる、落ち着きがない
BIZREACH

大学職員採用試験の面接試験における「短所(弱み)」の回答例

大学職員採用試験の面接試験で活用できそうな「短所(弱い)」の回答例をいくつか紹介しますので、ご自身の回答を考える際の参考にしていただければと思います。

新卒者向けと転職者向けの両方を記載していますので、該当するものを参考にしていただければと思います。

「短所(弱み)」を「心配性」とした例(新卒用・転職用)

<新卒用>
私の「短所(弱み)」は心配性なところです。サークルで新入生向けのイベントを開催する際にリーダー役を担ったのですが、気になる点があると迅速に判断できないことがあり、イベントの準備が遅れてしまうことがありました。このため、次の他大学との交流イベントを実施する際には、優先的に決めるべきことを自分なりに整理し、そこから判断していくことでスムーズに交流会の準備を行うことができました。大学職員の仕事には、行事やイベントなどを運営する仕事が多くあると思いますので、心配性だからこそ幅広い視点に気を配りつつ、行事・イベントの準備が問題なく進むように、今後も自分なりに改善・工夫をしていきたいと考えています。

<転職用>
私の「短所(弱み)」は心配性なところです。現職では営業事務の仕事をしているのですが、1つ1つの仕事にミスがないか気になってしまい、全体的に時間がかかってしまうことがありました。このため、仕事のレベルや重要度を自分なりに意識し、完成度を追求する仕事と8割程度でも仕上げる仕事を分けるようにして仕事全体の効率化を図るようにしてきました。大学では色々な仕事を併行して進める必要があると理解しておりますので、一定の質は保ちつつも、業務によって力の入れ方を調整しながら仕事に取り組んでいきたいと思っています。

「短所(弱み)」を「緊張しやすい」とした例(新卒用・転職用)

<新卒用>
私の「短所(弱み)」は緊張しやすいことです。大学受験の際に推薦試験を受けたのですが、成績については受験する大学のレベルを大きく満たしていたにもかかわらず、面接試験で緊張してうまく話せなかったことにより不合格となってしまいました。大学には一般受験で入学しましたが、入学後にこの「緊張しやすい」という性格をなんとかしたいと思い、授業や部活動の中で、できるだけ人前に立つことを心がけてきました。まだまだ緊張することはありますが、場数をたくさん踏んだことで、緊張しても自分の意見や考えをある程度言えるようになってきました。大学では行事やイベントなどで先生や学生さんに対して説明をする場面がたくさんあると思いますので、今後もできるだけ多くの経験を積み、そのような仕事もしっかりと担えるようになっていきたいです。

<転職用>
私の「短所(弱み)」は緊張しやすいことです。現職では営業として、担当地域の営業活動を行っていますが、配属当初は提案時に緊張してしまうことでうまく契約に結び付けることができず、営業成績が同期の中で下位のグループに属していました。自分でもこのままではよくないと思い、社内の契約獲得事例を改めて精査したうえで、同じ部署の先輩に協力してもらいロールプレイングを何度も行ったうえで営業するようにしました。その結果、事前に色々なパターンをイメージできたことで以前ほど緊張しなくなり、営業成績も徐々に上向くようになりました。現在は営業担当として3年目ですが、チームの中で上位のグループになり、自分なりの成功パターンもいくつか発見し、それを後輩に共有できるようにもなりました。

「短所(弱み)」を「断れない性格」とした例(新卒用・転職用)

<新卒用>
私の「短所(弱み)」は断れない性格だと考えています。大学時代はできるだけ色々な経験をしようと思い、学業や留学だけでなく、様々なアルバイトを経験しました。特に夏休みの時期は時間的な余裕もあったので3つほどかけ持ちをしていました。飲食系が多かったこともあり、どの店も人手不足で、もともとシフトに入っていない日の出勤を頼まれることも多くありました。お店も困っているので時間が合えば断らないようにしていたのですが、夏休みの最後の時期は疲れが溜まってしまい、体調を崩してしまうことがありました。このときに自己管理を行わないと、お店に余計な迷惑をかけてしまうこともあると思い、後々お店に迷惑をかける可能性があるのであれば、「断わる」という判断も時には必要だと学びました。もし貴学で働くことができるのであれば、色々な仕事を経験したいという思いは維持しつつ、同じ部署の方などにご迷惑をかけないように、自分管理を徹底したいと思っています。

<転職用>
私の「短所(弱み)」は断れない性格だと考えています。現職では人事部に所属しておりますが、近年は労働法の改正や、セクハラ・パワハラなどの人事労務上の課題が多いことから、人事部の業務が増えている状況があります。そのような中で、自分のキャパシティをあまり考えずに仕事を受けてしまうことがありました。もともと色々な仕事に関わりたい性格でもあるため、頼まれるとつい引き受けてしまうのですが、自分のキャパシティを超える状況になってしまうと、仕事の質がどうしても下がってしまいます。このため、自分が抱えている業務を常に整理しておき、新しい仕事を受けられるかどうかをしっかりと判断できるようにしています。大学も社会から求められるものが増えているので新たな仕事は増えていくと思いますが、自分の業務の把握や、事務処理能力を向上させることで、できるだけ色々な仕事にチャレンジできるようにしていきたいです。

「短所(弱み)」を聞かれたときの対応のポイントまとめ

「短所(弱み)」に関する質問は、面接試験が苦手な人だけでなく面接試験が得意な人でも、「どう回答するのが正解なのか」と迷うような質問だと思います。

ぜひこの記事をご覧になって、自分にとって一番望ましい回答を導き出しましょう。

そして、自分なりの回答ができた際には、面接官に「短所(弱み)を素直に認めるという姿勢」「他者に客観的に評価してもらい周りの意見も受け入れている姿勢」「自分が抱えている課題に対する行動力」が伝わるかを改めてチェックしてみるとよいと思います。

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