この記事では大学職員採用試験でオンライン面接(Web面接)を受ける際に注意すべきことや、面接での質問は対面の場合と異なるかなど、大学職員のWeb面接について解説します。
大学職員採用試験でもオンライン面接(Web面接)は増えている
大学職員採用試験におけるオンライン面接(Web面接)については、コロナの影響が出る前の2019年頃まではほとんど実施されていませんでした。
それが2020年以降は、対面での面接をしたくてもできない状況が続いたため、大学職員採用試験でもオンライン面接(Web面接)を実施するようになってきています。
それに伴い、私のところにも大学職員への就職・転職を目指す方から「オンライン面接(Web面接)」に関するご相談をいただくことが増えてきました。
今後はコロナが収束することも想定されますが、すべて対面での面接に戻るかというとそうでもないので、大学職員採用試験では今後もオンライン面接(Web面接)が継続して実施されることが想定されます。
オンライン面接(Web面接)とは
オンライン面接(Web面接)とは、大学が指定する面接会場にはいかずに、インターネットを活用して実施する面接試験です。
民間企業では、コロナの前から導入している企業もあったようですが、大学ではコロナの影響で、対面での面接が事実上できなくなったためにやむを得ず導入したというような感じがあります。
ただ、すべての面接がオンラインかというとそうではなくて、1次・2次面接はオンライン(Web面接)で実施しますが、最終面接は対面で実施するという大学もあります。
オンライン面接(Web面接)で使われるツールとは
オンライン面接(Web面接)で使われるツールは、「Zoom」のケースが多いですが、その他には「Skype」や「Googleハングアウト」などいくつかのパターンが考えられます。
ただ、基本的には大学側が指定してくることになるので、受験者としては大学が指定したツールを使うことになります。
人によっては「Zoom」は使ったことはあるけど「Skype」は使ったことがないという人もいると思うので、もし大学が指定してきたツールを利用したことがなければ、必ず一度は試しに使って慣れておくようにしましょう。
面接当日に思わぬところでトラブルが起こってしまうと面接もうまくいかなくなってしまう可能性もあるので、必ず事前に準備するようにしましょう。
姉妹サイトの「【会員限定】大学職員への就職・転職対策サイト」では、大学職員の採用試験を実際に受けた方にご協力いただき、面接試験で実際に出された質問などを紹介しています。実際にされた質問になるので、面接試験対策をする際にも参考になると思います。会員限定となりますが、よろしければこちらのサイトもご活用ください。
→「大学職員採用試験で実際に出された面接試験での質問や筆記試験の内容(大学職員への就職・転職サイト)」はこちら
2024年10月時点では、以下の大学の情報を掲載しています。
秋田公立美術大学、大妻女子大学、追手門学院大学、桜美林大学、香川大学、学習院大学、神奈川大学、関西大学、関西学院大学、神田外語大学、北九州市立大学、九州工業大学、共愛学園前橋国際大学、京都光華女子大学、金城学院大学、慶應義塾大学、高知大学、国際基督教大学、国士館大学、滋賀県立大学、実践女子大学、淑徳大学、順天堂大学、常翔学園(大阪工業大学・摂南大学・広島国際大学)、上智大学、成蹊大学、成城大学、西南学院大学、玉川大学、多摩美術大学、千葉大学、中央学院大学、津田塾大学、東京医科大学、東京造形大学、東京電機大学、豊田工業大学、名古屋市立大学、福岡教育大学、福岡工業大学、福岡女子大学、藤田医科大学、星薬科大学、武蔵大学、武蔵野大学、明海大学、明治薬科大学、名城大学、ものつくり大学、山口県立大学、横浜市立大学、立命館大学、琉球大学、早稲田大学
オンライン面接(Web面接)を受ける際はスマホでもよいか
オンライン面接(Web面接)自体はスマホでも受けることはできます。
ただ、画面が大きいほうが面接官の表情が見えやすくなるので、個人的にはパソコンを使って受験することをオススメしています。
仮に、スマホでオンライン面接(Web面接)を受ける際は、スマホの位置を固定したり、途中で音がなったりしないようにスマホの設定をサイレントモードにしたりするなどの準備も必要になるので、特にスマホの場合は念入りな準備が必要になります。
オンライン面接(Web面接)と対面面接の違い
面接試験を実施する趣旨としては基本的にはオンライン(Web)も対面も同様で、面接官とのやりとりとを通して、自分の良さを伝える場ということは変わりません。
このため、伝える内容自体はオンライン面接(Web面接)だからといって変わるものではありません。
ただ、対面と異なるのは、対面では起こりえないトラブルが発生する可能性があることです。例えば、通信関係に関するトラブル(接続が切れる、声が聞こえにくくなることがある等)が発生したり、若干の時間差が生じることでうまくやりとりができなくなってしまうというようなことがあります。
このため、オンライン面接(Web面接)を受ける際は、どんなトラブルが発生する可能性があるかを知っておき、そのようなトラブルが起きないように事前に準備・対策をしておく必要があります。
オンライン面接(Web面接)でどんなトラブルが発生するかについては、この後に紹介します。
オンライン面接(Web面接)の流れ
対面の面接では、指定された時間に会場に行き、スタッフに案内されて面接会場に行くことになりますが、オンライン面接(Web面接)では受験まですべて自分で対応する必要があるので、初めてオンライン面接(Web面接)を受ける際は、だいたいの流れを調べておく必要があります。
基本的には、
①事前に大学側からオンライン面接(Web面接)で利用するツールとURLの連絡があるので受け取る
②面接当時の5~10分前くらいに連絡のあったURLにアクセスする
③指定の時間になったら大学側がアクセスし面接がスタートする
という流れになります。
対面の面接では、ノックして、荷物を置いて、椅子の横で挨拶して、着席して「それでは面接を始めます」というような感じで始まりますが、オンライン面接(Web面接)の場合は、対面での面接と比較するといきなり始まるような感じになるので、面接開始時間近くになったら、表情の準備なども早めにしておく必要があります。
オンライン面接(Web面接)を受けるうえで注意すべきこと
ここが一番重要な部分になります。オンライン面接(Web面接)を受ける際に注意すべきことや意識すべきことを解説します。
ここで紹介する内容は一般的に注意すべきと言われていることや、実際に大学職員採用試験のオンライン面接(Web面接)を受けた方からいただいた感想などを踏まえてまとめています。
事前に準備すること
<全体について>
当日にトラブルが起こらないように、当日どんなことが起こりうるかを想像しながら準備をしましょう。
<利用するツールについて>
ZoomやSkypeなど、オンライン面接で利用するツールは大学によって異なります。ときどき、普段利用しているZoomだと思っていたら別のツールで、面接試験直前にバタバタしてしまったという方もいますので、必ず利用するツールについては事前に確認し、使ったことのないツールであれば一度は試しに使ってみるようにしましょう。
<カメラについて>
カメラの位置を確認し、自分がどのように映るかを確認しておきましょう。角度によってよく見える映り方があるのであれば、そのような角度に調整しておくのもよいと思います。
<ネット環境について>
有線LANのほうが通信環境が安定すると言われていたりします。実際に友人などとオンラインでつないでみて現状がどのような感じかを確認しておきましょう。
<マイク等について>
PCに付いているマイク等を使うこともできますが、別途マイク付きイヤフォン等を購入することで、こちらの声が伝えやすくなったり、相手の声が聞きやすくなったりすることもあるようです。自宅の通信環境に応じてマイク付きイヤフォン等の購入を検討してみてもよいと思います。
<面接を受ける部屋について>
オンライン面接(Web面接)を受ける部屋については、静かな環境にしておくのは当然ですが、部屋の一部が映る場合は、部屋が散らかっていないかや、マイナスな印象を与えてしまうようなポスターが貼っていないかなどについても確認しておくようにしましょう。
<利用するツールのアカウント名について>
大学が指定したツールをすでに利用したことがある場合は、アカウント名がプライベート用のよくわからないものになっていたりする場合もあるので、必要に応じて修正をしておきましょう。
また、ツールによって「アカウント情報(自己紹介ページ)」が見えてしまうものについては、大学側に変な印象を与えてしまうような情報がある場合は、こちらも事前に修正しておくとよいと思います。
当日について
<スタンバイについて>
大学側からもご案内があると思いますが、できれば10分前くらいにはスタンバイをしておくようにしましょう。
<服装について>
基本的には画面に映っている範囲にしか見られませんが、何らかの事情で立ったり座ったりする必要が生じた場合は、全身が映る可能性もあるので、オンライン(Web)だからと言って油断した服装にはしないようにしましょう。
<家族等へのお願い>
一緒に住んでいる家族等がいる場合は、面接の時間はできるだけ雑音が発生しないように協力してもらえるようお願いをしておきましょう。
面接中について
<質問が聞き取りにくかった場合>
対面面接でも同じですが、質問の趣旨がわからなかったり、質問の声が聞こえなかったりした場合は、改めて聞くようにしましょう。対面面接よりも聞き取りにくいのは間違いないですし、面接官側もそれを理解しています。
わらかないまま回答してしまうと、面接での評価に影響が出てしまうこともそうですが、大学側としても正しい判断ができなくなってしまうので、聞き取りにくいことなどがあったら積極的に聞くようにしましょう。
何となく聞き返してしまうとマイナスな評価をされてしまうと思ってしまいますがそんなことはありません。オンライン面接(Web面接)で何度か聞き返したという人も選考を通過できたという人も実際にいました。
<目線について>
なかなかオンライン(Web)での会話に慣れていない人は目線をどこにしたらよいか迷ってしまうのですが、目線は基本的にはカメラに送るようにしましょう。
<その他>
宅急便などがきて急にインターフォンが鳴ってしまうこともあります。家族がいる場合は家族に対応をお願いしておけばよいのですが、そうでない場合はインターフォンが鳴った愛にどのように対応するかを決めておくとよいと思います。
もし、インターフォンの音が切れるなら切っておいてもよいですし、音が切れない場合は音を小さくしておいたり、場合によってはその時間帯はインターフォンを押せないように紙を貼っておくなども考えられると思います。
▼(会員限定)大学職員就職・転職対策サイトのご紹介▼
姉妹サイトの「大学職員就職・転職対策サイト」では、実際に応募した方のES作成例や面接試験で実際に出された質問など、一般では公開しにくい大学職員採用試験の生の情報を人数限定でお伝えしています。登録者が増えた場合は会員登録ができなくなりますので、ライバルに少しでも差をつけたいという方はお早めにご覧ください。
<よく見られる記事>
★大学職員志望動機・志望理由実例集
★大学職員ES項目別作成例集
★大学別面接試験で実際に出された質問(50大学以上)
★【100以上の面接試験を集計】面接試験で実際に出された質問TOP18
★【全12大学】最終面接で実際に出された質問まとめ
★応募する大学が抱える課題や弱みを確認する方法
★【全15個】テーマ別小論文作成例
★テーマ別グループディスカッション対策
★大学職員採用試験を受ける前に知っておくべきデータ66
大学職員のオンライン面接(Web面接)で実際に出された質問
オンライン面接(Web面接)と対面での面接では、聞かれる質問が異なるかということを気にする方もいますが、基本的にはあまり変わりがないです。
ここでは、私に就職・転職のご相談をいただいている方から情報提供いただいたオンライン面接(Web面接)で実際に出された質問を紹介します。
都内中堅大学
<基本情報>
・面接時間:30分程度
・面接官:2名
<実際に出された質問>
・自己紹介と志望理由を簡単にお願いします。
・何故自分は現職の今の部署に配属されたと思いますか。
・本学でどういうことに取り組みたいですか。
・教育の質の向上にどう取り組めば良いと思いますか。
・ESにやってみたいこととして書いてある〇〇とは具体的にどういうことですか。
・それを進めることで、学生にどんな効果があるのですか。
・現職で行った「〇〇の促進」はどのように進めましたか。
・本学で「〇〇の促進」をやるとしたらどんな取り組みが考えられますか。
・プロジェクトの統括をした経験があるようですが、タイムマネジメントはどのように行っていましたか。
・大学の他に高校や中学校、医療の現場にも配属されますが問題ないですか。
・学生の時の就職活動時は大学職員について知っていましたか。
・最後に質問はありますか。
関東の公立大学
<基本情報>
・面接時間:25分程度
・面接官:2名
<実際に出された質問>
・現職の仕事について簡単に教えてください。
・なぜ転職活動をしようと考えたのですか
・自己PRをしてください。
・大学時代にどんな研究をしていましたか。
・ESには中堅職員の仕事と書かれているが具体的にどんな仕事していたのですか。
・上司や部下と接していて大変だったことはありますか。
・仕事で困った経験はありますか。また、どのように対応しましたか。
・上司が間違った指示をしてきたときはどのように対応しますか。
・(対応を踏まえ)それでも間違った指示を出してきたらどう対応しますか。
・大学は今後どのような取組を行うべきですか。
・他大学の選考状況について教えてください。
・今後も大学法人を受け続けますか。
・最後にあなたの強みを法人にどう活かしていきたいかを1分くらいでPRしてください。
地方総合大学①
<基本情報>
・面接時間:30分程度
・面接官:3名(質問者は2人)
<実際に出された質問>
・志望動機をお願いします。
・なぜこのタイミングで転職したいと思ったのですか。
・入ってみてやってみたい仕事は何ですか。
・なぜ国際推進の業務をやりたいのですか。
・コロナ禍によって何かプラスなものは生まれたと思いますか。
・オンライン授業は今後も続くと思いますか。
・5年後どのような職員になっていると思います。
・あなたの考える理想の大学職員像とはどのようなものですか。
・最後に自己PRをお願いします。
地方総合大学②
<基本情報>
・面接時間:20分程度
・面接官:2名
<実際に出された質問>
・なぜ転職をしようと思ったのですか。
・なぜ本学を志望したのですか。
・大学職員にどういったイメージをもっていますか。
・教員をサポートするときに必要なことは何だと思いますか。
・強みである調整力や発信力を大学の運営・発展のどの部分に貢献できると思いますか。過去の具体例を挙げながら説明をお願いします。
・現職ではどんな立場ですか。また、部下はいますか。
・マネジメントをする上で大切にしていることは何かありますか。
・もし本学の職員になられると、今の立場とは逆転してもしかすると自分よりも年下の先輩というような立場もあると思うが、それに対して抵抗や不安は感じていますか。
・病院への異動もあり得えますが、病院病務においてどういう考えをお持ちですか。
・給料が下がってしまう可能性もあるが、それでも魅力を感じていただけていますか。
・取り組みたい業務に書いてあることは本学では教員が中心となっているのですが、具体的にやってみたいことはどんなことですか。
・学生支援ではなく、総務や財務などの管理業務についてどのようにお考えですか。
・現職ではどのようなクレームに対応してきましたか。言える範囲で構わないので教えてください。
・仕事のストレスに対してどのように発散していますか。
・現職の待遇などを踏まえると退職してまで本学を志望する理由がわからないのですが、なぜ本学なのか改めて教えていただけますか。
▼大学職員転職・就職向けサポートサービスの紹介▼
スキルの販売サイト「ココナラ」では、大学職員を目指す方に向けて、大学職員のエントリーシート(ES)・応募書類作成にあたってのサポートや、面接試験対策のサポートなど、採用試験対策をサポートするための様々なサービスが提供されています。また、私自身も「大学職員の就職・転職を目指す方にアドバイスします」というサービスを提供し、これまでに50人以上の方のサポートをさせていただいております。様々なサービスがありますので、よりよいESを作成したい方や、面接対策をより深めたい方などは利用してみるとよいと思います。
<提供されている主なサービス>
★大学職員の就職・転職を目指す方にアドバイスします(出品者:山田隆司)
★大学職員応募のためのエントリー書類の添削をします(出品者:リフレクション工房さん)
★大学職員のよくある質問100個と回答を提供します(出品者:0から始める大学職員さん)
★私立大学職員の面接対策マニュアルを提供いたします(出品者:Christopher Wrightさん)
★大学職員への就職をサポートします(出品者:akirahei@就活アドバイザーさん)
★内定続々!大学職員への転職をサポートします(出品者:大学職員@教務課(大教さん)さん)
★大学職員へのなり方、伝授します(出品者:キャリアコンサルタント コウさん)
★勤務20年!国立大学 事務職員の本音教えます(出品者:ぱりっとさん)
オンライン面接(Web面接)に関する質問と回答
大学職員への就職・転職相談を受ける中で「オンライン面接(Web面接)」に関する質問もいただくことがあります。ここではそこでいただいた質問と私からの回答をいくつか紹介します。
質問①:オンライン面接(Web面接)を受ける際にカンペを使ってもよいか
<質問>
オンライン面接(Web面接)を始めて受けるのですが、やはりカンペは使わないほうがよいのでしょうか。
<私の回答>
大学側から「メモの閲覧可」など連絡がない限りは、カンペは見ないほうがよいと思います。
もちろん見たとしても見ていることがわからないようにすればよいと思いますが、オンライン(web)といえども目線でだいたいわかってしまうので、カンペを使っていないことを隠すのはかなり難しいと思います。
質問②:対面での面接の際はマスクを取ったほうがよいか
<質問>
先日、面接試験があったのですが、面接官と私の前にアクリル板があって、「マスクを外しても構わない」との指示があったのですが、こちらは外した方がよかったのでしょうか。感染症対策上、着用の方が望ましいと思い付けたままにしてしまいました。
<私の回答>
マスクをつけるつけないでそこまで大きな影響はないと思いますが、マスクをしたままだと声が伝わりにくくなってしまうこともあるので、そのようなご案内があるのであれば、個人的には外してしまったほうがと思います。
ちょっと異なる話になりますが、夏場に面接をやる際は「クールビズでお願い(ノーネクタイOK)」となっていても、ネクタイをしてくる人もいますが、いちいちネクタイをしているからプラスの評価をしようとかマイナスの評価をしようとかはあまり考えません。
あくまで面接でのやりとりを通じて「どんな人なのか」「大学で活躍できるのか」などと感じた部分が圧倒的に合否に左右しますので、今回外さなかったことはあまり気になさらなくてよいのかなと思います。