大学職員を目指す方の中には「母校出身者のほうが選考に有利なのではないか」「母校出身者以外は採用されないのではないか」などと疑問に思う人もいると思います。そこですべての大学を調べることはできないのですが、一部の大学の母校採用率の調べ方を紹介したいと思います。

母校採用率を調べられる可能性のある公開資料

各大学が自ら母校採用率を公表していることはかなり少ないのですが、母校採用率が公表されている可能性のある資料などをいくつか紹介したいと思います。

まず最初は各大学の採用ページです。各大学の採用ページには大学によって職員採用試験の受験者数や合格者数を掲載している場合があります(公開している大学自体も少ないですが)。その際に「卒業生」の合格者数を記載している場合があるので、そのような大学であれば母校採用率を確認することができます。

例えば立教大学では、

2019年度:新卒採用者4名(うち卒業生2名)
2018年度:新卒採用者2名(うち卒業生2名)
2017年度:新卒採用者3名(うち卒業生2名)

などとなっています。

関西大学では、

2020年度:採用者17名(うち卒業生16名)
2019年度:採用者16名(うち卒業生14名)
2018年度:採用者18名(うち卒調整15名)

などとなっています。

また、これもかなり事例が少ないのですが、大学の年報や財務報告と言われる資料にその年度の採用した職員数のデータと併せて卒業生の採用数が記載されていることがあります。

ただ、このように公開されている大学はかなりレアな大学になるので、なかなか母校採用率を見つけることは難しいと思います。

母校採用率が確認できる書籍

続いて、すべての大学ではないのですが、約70大学分の母校採用率がわかる書籍があります。それは「大学ランキング 2021 (AERAムック)」です。

この書籍の「事務職員ランキング」の「事務職員採用」という部分で、採用人数が多い大学の採用人数と新卒比、自校比を記載しています。

この自校比がいわゆる母校採用率と理解してよいと思います。

詳細はこちらに記載することはできないのですが、例えば2021年度版では、

・都内私立大学(早慶上智レベル):採用者24名、母校採用率58.3%
・都内私立大学(MARTCHレベル):採用者17名、母校採用率17.6%
・関西私立大学(関関同立レベル):採用者46名、母校採用率30.4%
・関西私立大学(産近甲龍レベル):採用者23名、母校採用率4.3%
・都内国立大学:採用者46名、母校採用率26.1%
・地方国立大学:採用者33名、母校採用率3.0%

などとかなり大学によって異なっています。

一番高いところでは母校採用率97.8%、一番低いところでは母校採用率0.0%となっています。

ざっと全体を見ると、国立大学や医科歯科系の大学は比較的母校採用率が低く、女子大学や芸術系の大学は比較的母校採用率が高いように感じます。

このデータは毎年更新されているので、掲載されている大学も毎年異なっています。このため、毎年のように採用数が多い大学は毎年掲載され、たまたま採用数が多い年度があった大学は、その年度だけ掲載されているような感じになります。

大学職員の母校採用率はなかなか調べることができないので、気になる人は参考に買ってみてもよいかもしれません。仮に志望する大学が掲載されていなくても、全体的な傾向は感じ取れるのかなと思います。

大学ランキング 2021 (AERAムック)

大学ランキング 2020 (AERAムック)

大学ランキング 2019 (AERAムック)

私が大学職員を目指す方からご相談を受けている中で感じる母校採用率

私が大学職員を目指す方からご相談を受けている中で感じている母校採用率については、「母校採用率はそこまで高くない」という印象をもっています。

ただ、早稲田大学や慶應義塾大学などのレベルの高い大学については、そもそも卒業生でよい人材が多いということもあり、結果的に卒業生が合格していることが多いので、一部のレベルの高い大学については母校採用率は高いというような印象をもっています。

ただ、「卒業生しか採用していない」という大学はほとんど聞いたことはないのです、どの大学であっても少なからずチャンスはあるのかなと思っています。

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