大学職員の採用試験に合格するためには大学の業界研究も重要になります。業界研究をしっかりと行うことでエントリーシート等の応募書類を作成しやすくなったり、小論文試験やグループディスカッション、面接試験でも自分なりの考えを提案できるようになります。そこでこの記事では「就職支援・キャリア支援」に関する各大学の特色ある取組を紹介します。

はじめに

高校生やその保護者が大学選びをする際には、教育内容だけでなく「卒業後に就職ができるか」という部分も重視しています。これは就職実績ももちろん重要ですが、大学でどんな就職支援・キャリア支援を行っているかというところも見ています。

そのような状況もあり、各大学では様々な就職・キャリア支援の取組を実施しています。大学としては、就職実績をよくすることだけを目的としているのではなく、1年次や2年次にキャリア教育を実施することで学生に就職や将来のキャリアを見据えてもらい、1年次や2年次にもしっかりと授業に取り組んでもらいたいという意図もあります。

そこでこの記事では、大学職員への就職・転職を目指す方の業界研究・試験対策の参考になるように、大学の「就職支援・キャリア支援」に関する取組を紹介します。

大学職員への就職・転職を目指す方の中には「就職支援・キャリア支援に携わりたい」という人も多いので、ぜひこの記事を参考にしていただければと思います。

就職支援・キャリア支援については、

①オンライン・AI等を活用した就職・キャリア支援
②学生と企業をマッチングさせる取組
③外国人留学生に対する就職・キャリア支援
④女子学生や男子学生等ターゲットを絞った就職・キャリア支援
⑤企業との関係を強化する取組
⑥学生・卒業生が行うキャリア・就職支援

の6つのカテゴリに分けて紹介します。

①オンライン・AI等を活用した就職・キャリア支援

「就職支援・キャリア支援」の「オンライン・AI等を活用した就職・キャリア支援」に関する特色ある取組については、

・好きな時間に受講できる「キャリアチャンネル」の開設(関西学院大学)
・就職相談に特化したAIチャットサービスを開始(埼玉大学)
・AI面接サービス「SHaiN(シャイン)」を就職支援に導入(東洋英和女学院大学)
・VRを活用した採用面接体験動画の導入(東京女子大学)

の4つの事例を紹介いたします。

好きな時間に受講できる「キャリアチャンネル」の開設(関西学院大学)

関西学院大学は、就職ガイダンスの参加者が減少していることを踏まえ、株式会社マイナビと連携し、好きな場所で、好きな時間に就職ガイダンスを受講できる「キャリアチャンネル」を開設しました。

このチャンネルでは、企業や業界研究の動画を見ることができたり、今後は、キャリアセンターの紹介や、内定者インタビュー、会社四季報の読み方など、就職お役立ち情報を掲載していくこととしています。

就職相談に特化したAIチャットサービスを開始(埼玉大学)

埼玉大学は、LINE公式アカウントを活用した就職相談に特化したAIチャットサービス「sAI Chat for University」を導入しています。

このシステムは、就職活動でよく聞かれる質問とその回答文500種類を独自に準備し、「sAI Chat for University」に予め登録しています。

学生などから質問が来ると、AIに登録された質問の中から、最も近い回答をアドバイザーに提示し、アドバイザーはその中から回答文を選択し、必要に応じて編集して送信することになります。

このサービス導入により、学生は普段から使い慣れているLINEを使って、いつでもどこでも就職に関する質問や相談をすることができるようになり、今までだったら諦めてしまうようなちょっとしたことも気軽に相談できるようになります。

この取組は、近年、就職活動の時期になると面談希望の就活生が殺到し、希望者全員にサービスを行うことが困難になっていることなどが背景となっています。

AI面接サービス「SHaiN(シャイン)」を就職支援に導入(東洋英和女学院大学)

東洋英和女学院大学は、株式会社タレントアンドアセスメントと連携をし、学生への就職支援の一環として、AI面接サービス「SHaiN(シャイン)」を試験導入しました。

「SHaiN(シャイン)」は、科学的根拠に基づく戦略採用メソッドをもとに、企業が求める人物像や採用基準に沿って、AIが人間の代わりに採用面接を行うサービスです。

VRを活用した採用面接体験動画の導入(東京女子大学)

東京女子大学キャリア支援センターは、VR(バーチャルリアリティー)を用いた採用面接体験動画を導入しています。

この取組は、大学における就職支援としては日本で初めてのものであり、学生は、より能動的で記憶に残りやすい方法での面接練習が可能になります。

VRを活用することにより、学生がいつでも面接練習が可能になったり、面接の反復練習がしやすくなるなど、学生の面接対策がよりしやすくなります。

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②学生と企業をマッチングさせる取組

「就職支援・キャリア支援」の「学生と企業をマッチングさせる取組」については、

・「逆求人型」就職マッチングサイトを公開(千葉商科大学)
・大学に近い自治体とUターン・Iターン就職を支援するための協定の締結(京都産業大学)
・学生と企業がランチをしながら交流する「モグジョブ」の開催(近畿大学)

の3つの事例を紹介いたします。

「逆求人型」就職マッチングサイトを公開(千葉商科大学)

千葉商科大学は、学生個人と各企業がサイト上に情報を登録し、企業側から採用したい学生にオファーが出せる就職マッチングサイト「me R AI」を公開しました。

千葉商科大学では、以前から学内での合同会社説明会を開催しており、2017年度からは逆求人型の学内合同説明会を実施しておりました。

この取組が学生からも企業からも好評だったため、この仕組みをオンライン上で利用できるようにしたものです。

就職活動時期の早期化や経団連による就活ルールが廃止されるなど、就活市場が大きく変わる中で、学生と企業の双方が効果的・効率的にマッチングできる場を創ることを目指しています。

大学に近い自治体とUターン・Iターン就職を支援するための協定の締結(京都産業大学)

京都産業大学は、学生に対して三重県内の企業情報の提供や就職支援を行い、三重県内の企業等への就職の促進を図ることを目的に、「就職に関する協定」を締結しました。

この協定の締結により、これまで行ってきた「ふるさと就職&インターンシップ相談会」や「地元就職(Uターン)相談会」などの取組を更に充実させることとしています。

学生と企業がランチをしながら交流する「モグジョブ」の開催(近畿大学)

近畿大学生産理工学部では、企業説明会等が開始される3月に向け、学生と企業がランチをしながら交流を行うイベント「モグジョブ」を開催しました。

このイベントは、92の企業・団体が参加し、学生は様々な企業の取り組みや仕事内容について学び、就職への意識を高める業界研究会と同時開催するもので、学生は企業の採用担当者とランチを食べながら、ざっくばらんに仕事について話を聞くことで、企業の特徴や雰囲気を知る機会になるとしています。

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③外国人留学生に対する就職・キャリア支援

「就職支援・キャリア支援」の「外国人留学生に対する就職・キャリア支援」に関する特色ある取組については、

・留学生の日本での就職活動をサポート(追手門学院大学)
・外国人留学生のためのマンツーマン模擬面接を実施(関西大学)
・留学生と日本人学生がペアになってインターンシップに参加(金沢工業大学)

の3つの事例を紹介いたします。

留学生の日本での就職活動をサポート(追手門学院大学)

追手門学院大学では、外国人留学生の日本での就職へのニーズがあることを踏まえて、留学生の就職活動支援に力を入れています。

2018年12月には、その取組の一環として、留学生約20名が大阪外国人雇用サービスセンターを訪問して施設の見学を行い、その概要や活用方法についての説明を受けました。

この取組は1~2年生の低年次の段階から日本での就職を意識することで早期の準備を促すことも目的の1つとしています。

外国人留学生のためのマンツーマン模擬面接を実施(関西大学)

関西大学は、日本国内での就職を希望する外国人留学生に対して、就活サポートの一環として本番さながらのマンツーマン模擬面接を実施しています。

指導を行うのは、留学生の就活支援の専門家であるSUCCESS-Osakaのコーディネーターとなっており、留学生それぞれのニーズを把握しながら実践型の面接指導を行い、適切なフィードバックを行うこととしています。

留学生と日本人学生がペアになってインターンシップに参加(金沢工業大学)

金沢工業大学では、ベトナムの越日工業大学の学生と金沢工業大学の学生がペアを組み、日本の企業のインターンシップに一緒に参加するという取組を実施しました。

金沢工業大学では、この制度を「バディ制度」と呼んでいます。

具体的には、越日工業大学の学生と金沢工業大学の学生がチームを組み、金沢工業大学における5日間の事前学習を経て、受入企業での実習等を通じて問題発見・解決に取り組み、就業体験後にも事後学習を行うというものです。

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④女子学生や男子学生等ターゲットを絞った就職・キャリア支援

「就職支援・キャリア支援」の「女子学生や男子学生等ターゲットを絞った就職・キャリア支援」に関する特色ある取組については、

・女子学生限定のキャリアUPプログラムの開催(大阪学院大学)
・キャリアママインターンシップ(昭和女子大学)
・男子限定就職支援プログラムの実施(金沢星陵大学)

の3つの事例を紹介いたします。

女子学生限定のキャリアUPプログラムの開催(大阪学院大学)

大阪学院大学は、女性らしくキラキラ輝き、社会で活躍し貢献する実践的な人材の育成を
目的としたプログラム「ステキ☆塾2019」を開講しています。

2019年10月には、第4回目として、「カワイイを最大限に引き出すコーディネートと写真術」をテーマに開催されました。

当日は、ウェディングプロデューサー・デザイナーを講師に招き、自分史を記した資料に基づき、これまでの人生で得られた“諦めないことの重要性”などについて語られました。

キャリアママインターンシップ(昭和女子大学)

昭和女子大学では、2016年11月から、仕事と子育ての両立に不安を持つ学生を対象に「キャリアママインターンシップ」を実施しています。

この取組は、学生が、小学生を自宅へ送り届けるシッター業務の提供を行い、それと引き換えに、ロールモデルとなるワーキングマザーに自宅で話をきかせてもらうという有償インターンシップ制度です。

このようなことを通じて、学生のうちから「仕事と子育ての両立」を体験的に学び、自らのキャリア設計に役立ててもらうことを目的としています。

男子限定就職支援プログラムの実施(金沢星陵大学

金沢星陵大学は、大学4年生の男子学生を対象とした就職対策講座「MOONSHOT for MEN」を開催しました。

このイベントは、身だしなみや、美しい立ち振る舞い、面接での受け答え等をトレーニングする女子学生対象の「MOONSHOT講座」の男子学生版で、肌のケアを含めた身だしなみについて学ぶ「第0印象攻略の男子就活生応援セミナー」と実践に近い面接対策が行われました。

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⑤企業との関係を強化する取組

「就職支援・キャリア支援」の「企業との関係を強化する取組」については、

・企業と大学教職員の懇談会を開催(神田外語大学)
・企業と大学との懇談会を実施(東京経済大学)

の2つの事例を紹介いたします。

企業と大学教職員の懇談会を開催(神田外語大学)

神田外語大学は、学生の地元就職を斡旋することを目的に、県内の企業の採用・人材育成担当者と千葉市内の大学の就職・インターンシップ担当職員が交流を行う「千葉県内企業と大学教職員との交流会」を開催しました。

このイベントでは、大学教職員と企業関係者の交流を図り、インターンシッププログラムの質の向上をテーマにしたグループディスカッションや情報交換会が行われることとなっています。

企業と大学との懇談会を実施(東京経済大学)

東京経済大学は、企業の採用担当者に、大学への理解を深めてもらい、業界動向や採用状況等の幅広い情報を交換する場として、「企業と大学との懇談会」を開催しています。

このイベントは二部構成となっており、第一部では東京経済大学の先生が、時事問題やその時々に話題になっていることに関して講演を行っており、2018年度は「ソーシャルメディア四半世紀」というテーマで講演を行いました。

第二部では、就職やインターンシップを担当する教職員と、企業の人事担当者等との間で情報交換を行っています。

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⑥学生・卒業生が行うキャリア・就職支援

「就職支援・キャリア支援」の「学生・卒業生が行うキャリア・就職支援」に関する特色ある取組については、

・卒業生を面接官とした模擬面接の実施(武蔵大学)
・OB・OGが行うキャリアデザイン塾を開講(神戸学院大学)
・ジュニア・アドバイザー制度の導入(九州産業大学)

の3つの事例を紹介いたします。

卒業生を面接官とした模擬面接の実施(武蔵大学)

武蔵大学では、3年生を対象とした就職支援プログラム「武蔵しごと塾」の第2弾として、模擬面接等を通じて内定力を高めるプログラムを実施しています。

このプログラムは、卒業生による講演の後、卒業生が面接官となって模擬面接を行い、フィードバック等を行うことにより、採用担当者の視点を理解するものです。

模擬面接では、1グループ(5~6名)に対し、卒業生が2名、すでに内定を取得している4年生の「就活サポーター」が対応することになっており、少人数での指導を行うのも特徴の1つだと考えられます。

OB・OGが行うキャリアデザイン塾を開講(神戸学院大学)

神戸学院大学では、正課の授業として、様々な分野で活躍する卒業生に学生生活や就職活動、現在の仕事などについて語ってもらう「OB・OGキャリアデザイン塾」を開講しています。

授業は計15回実施し、2020年は弁護士、公務員、サービス業、製造業など幅広い業種、業界で活躍するOBとOGが講師となり、学生に社会に出るためのアドバイスを行い、キャリア形成に役立ててもらうこととしています。

受講した学生からは、「お話を聞いて、悔いのない将来にしようと思った。今幸せと思える自分になりたい」などの感想がありました。

ジュニア・アドバイザー制度の導入(九州産業大学)

九州産業大学では、早期に就職活動を終えた4年生が、就職活動に取り組む3年生に対して自身の経験から解り易くアドバイスを行うジュニア・アドバイザー制度を導入しています。

この制度は九州産業大学独自の”学生による学生のための”就職活動サポート制度で、4年生が自己分析の方法、履歴書・エントリーシートの作成指導、業界・企業研究、企業情報収集、企業へのアプローチの方法指導、模擬面接指導などについてアドバイスを行っています。

なお、ジュニア・アドバイザーは、卒業後もキャリア・アドバイザーとして社会人の立場から助言・支援を行っています。

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各分野の特色ある取組を紹介している記事について

各分野の特色ある取組については、本ブログでも紹介していますが、会員限定の「大学職員への就職・転職対策サイト」ではより多くの取組を紹介し、紹介する内容も定期的に追加しています。

また、会員限定の「大学職員への就職・転職対策サイト」では、各分野の特色ある取組だけでなく、

・志望動機や志望理由の実例紹介
・エントリーシート作成例の紹介
・テーマ別小論文作成例の紹介
・テーマ別グループディスカッション対策
・大学職員の面接試験を受ける方が事前に作成した想定される質問と回答予定内容
・大学職員採用試験を実際に受験した方から情報提供いただいた面接試験で実際に出された質問
・大学職員採用試験を受ける前に知っておきたい66のデータ
・各種大学ランキングの掲載URLの紹介
・その他大学職員採用試験に活用できそうな情報(女子大学の存在意義、URAと事務職員の役割分担、応募する大学の課題や弱みを確認する方法等)

など、一般には公開しにくい情報を中心に掲載しています。

よろしければ会員限定の「大学職員への就職・転職対策サイト」もご活用ください。
⇒(会員限定)大学職員への就職転職サイト

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