大学職員の採用試験に合格するためには大学の業界研究も重要になります。業界研究をしっかりと行うことでエントリーシート等の応募書類を作成しやすくなったり、小論文試験やグループディスカッション、面接試験でも自分なりの考えを提案できるようになります。そこでこの記事では「ダイバーシティ」に関する各大学の特色ある取組を紹介します。

はじめに

大学には多様な人集まるということもあり、各大学において様々なダイバーシティの取組が進められるようになってきています。

これは、時代的にそのような時代になってきたということもありますが、個人的には、大学は他の業界よりもダイバーシティを推進しやすい環境にあるし、推進すべき立場にあるということも1つの理由だと思っています。

そこでこの記事では、大学職員への就職・転職を目指す方の業界研究・試験対策の参考になるように、大学の「社会貢献」に関する取組を紹介します。

ダイバーシティについては、

①女性の活躍を支援する取組
②多様な文化・宗教を受け入れる取組
③障害のある方への支援
④セクシャル・マイノリティ(性的マイノリティ)への支援

の4つのカテゴリに分けて紹介します。

①女性の活躍を支援する取組

「ダイバーシティ」の「女性の活躍を支援する取組」については、

・女性を対象に起業アイデアを募集するビジネス・プランニング・コンテストを開催(東京女子大学)
・女子学生限定のキャリアUPプログラムの開催(大阪学院大学)
・女性の役員級人材育成のために「役員・執行役員研修」を実施(昭和女子大学)
・女性特有にキャリア課題に対応するためキャリア教育科目を設置(京都ノートルダム女子大学)
・女性研究者・技術者の支援(金沢大学)

の5つの事例を紹介いたします。

女性を対象に起業アイデアを募集するビジネス・プランニング・コンテストを開催(東京女子大学)

東京女子大学は、高校生以上の女性を対象に起業アイデアを募集する「東京女子大学ビジネス・プランニング・コンテスト」を開催しました。

このコンテストでは、事業・資金計画が具体化されたプランニングを対象とした「起業部門」と、資金計画には至らないが具体的な展開イメージのあるアイデアを対象とした「アイデア部門」の2部門を設定しています。

コンテストでは、書類による1次審査と公開プレゼンテーションを行う最終審査が行うこととなっています。

女子学生限定のキャリアUPプログラムの開催(大阪学院大学)

大阪学院大学は、女性らしくキラキラ輝き、社会で活躍し貢献する実践的な人材の育成を
目的としたプログラム「ステキ☆塾2019」を開講しています。

2019年10月には、第4回目として、「カワイイを最大限に引き出すコーディネートと写真術」をテーマに開催されました。

当日は、ウェディングプロデューサー・デザイナーを講師に招き、自分史を記した資料に基づき、これまでの人生で得られた“諦めないことの重要性”などについて語られました。

女性の役員級人材育成のために「役員・執行役員研修」を実施(昭和女子大学)

昭和女子大学では、女性管理職増に貢献するため、係長・課長クラス対象の「マネジメント・ステップアップコース」、部長クラス対象の「女性エグゼクティブコース」を開設しています。

その中で、2021年2月に新たにこれからの時代に求められるリーダーに必要な知識習得を目的とした「役員・執行役員研修」を新設しました。

具体的には、取締役や監査役(役員)に必要な基本的知識を身につける研修で、法律面の知識にだけでなく、これから激しく変化し国際化するビジネス環境を踏まえてガバナンスに必要な広範な分野の知識習得を目指すものとなっています。

女性特有にキャリア課題に対応するためキャリア教育科目を設置(京都ノートルダム女子大学)

京都ノートルダム大学では、学生一人ひとりが自分らしく生きられるように1年次からさまざまなキャリア形成カリキュラムや就職支援ガイダンスなどをおこなっています。

その中で、「女性とライフキャリア」「子育てとワークライフバランス」という科目を設置しています。

女性研究者・技術者の支援(金沢大学)

金沢大学は、北陸地域の女性研究者ネットワークとして「Hokuriku Women Researchers’ Network」を発足させ、大学、企業、行政などと連携し、地域全体で女性研究者、技術者を支援しています。

また、、富山県立大学およびYKK株式会社と連携して取り組む「女性研究者等支援プログラム」が、平成29年度文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」に採択されるなど、女性人材の育成に取り組んでいます。

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②多様な文化・宗教を受け入れる取組

「ダイバーシティ」の「多様な文化・宗教を受け入れる取組」については、

・学生の提案によりムスリム(イスラム教徒)のお客様向け礼拝スペースの設置(相模女子大学)
・マレーシアデイズの開催(神奈川大学)
・ハラール認証を受けた「ハナーンチョコレート」の開発(東京大学)

の3つの事例を紹介いたします。

学生の提案によりムスリム(イスラム教徒)のお客様向け礼拝スペースの設置(相模女子大学)

相模女子大学では、学部・学科を越えた課題解決プロジェクトの取組の一環として、中日本エクシス株式会社が運営するサービス襟におけるムスリム(イスラム教徒)の方の受け入れ環境整備の課題について、所属する学生が調査・提案を行い、その提案により「礼拝スペース」の設置が採用されることになりました。

また、調査結果に基づき、メニューへの「食材ピクトグラム」の導入や、学生が考案したノンポーク・ノンアルコールのレシピをアレンジしたものが採用されたことも発表しました。

マレーシアデイズの開催(神奈川大学)

神奈川大学では、マレーシアを含むイスラム圏の文化に対する理解を深める機会を提供するため、「マレーシアデイズ」というイベントを開催しました。

このイベントは、世界全体のイスラム教徒の人口が2020年には約20億人に達すると推測されていること、キリスト教に次ぐ第二の宗教として位置付けられること等を踏まえて実施するものです。

ハラール認証を受けた「ハナーンチョコレート」の開発(東京大学)

東京大学は、ハラール認証を受けた商品「ハナーンチョコレート」を開発しました。

ハナーンとは、アラビア語で「思いやり」や「優しさ」という意味を表す言葉で、ハラール認証とは、ムスリムが安心して飲食したり仕様したりすることができるものを提供するための取組となっています。

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③障害のある方への支援

「ダイバーシティ」の「障害のある方への支援」に関する特色ある取組については、

・障害を理由とする差別の解消の推進に関するガイドラインの作成(京都産業大学)
・障害者スポーツイベントの実施(武蔵野大学)

の2つの事例を紹介いたします。

障害を理由とする差別の解消の推進に関するガイドラインの作成(京都産業大学)

京都産業大学では、障害を理由とする差別の解消の推進に関する京都産業大学の教職員対応ガイドライン」を制定しています。

これは、学生を含む障害者に対する教職員の対応の指針となるものです。

このガイドラインをベースとして、受験前の相談から在学生への支援まで、教員、職員、サポート学生が連携して支援体制を構築しています。

障害者スポーツイベントの実施(武蔵野大学)

武蔵野大学は、スポーツマネジメントゼミの授業の一環として、学生が主体となって運営する障害者スポーツ普及イベント「障がい者スポーツチャレンジin KOTO」を実施しています。

この取組は、オリンピック・パラリンピックの応援、2020年以降のダイバーシティ社会実現への寄与、スポーツを通した地域社会への貢献などを目的としています。

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④セクシャル・マイノリティ(性的マイノリティ)への支援

「ダイバーシティ」の「セクシャル・マイノリティ(性的マイノリティ)への支援」に関する特色ある取組については、

・LGBTなどの性的少数者等を尊重するための「対応ガイドライン」の策定(群馬大学)
・トランスジェンダーの学生受け入れへ(日本女子大学)
・性的マイノリティの学生への対応に関する研修の実施(龍谷大学)
・証明書から「性別」を削除(立命館アジア太平洋大学)

の4つの事例を紹介いたします。

LGBTなどの性的少数者等を尊重するための「対応ガイドライン」の策定(群馬大学)

群馬大学では、LGBTなどの性的少数者を含む多様な性を尊重するための「対応ガイドライン」を策定しました。

トランスジェンダーの学生が通称名を使えるようにするほか、大学が作成する書類で性別情報が不要なものは性別欄を廃止し、学内の相談体制も充実させることとしています。

トランスジェンダーの学生受け入れへ(日本女子大学)

日本女子大学は、戸籍上は男性で性自認は女性のトランスジェンダーの学生を、2024年度の新入生から学部と大学院で受け入れることとしました。

入学開始時期を2024年度としたのは、トランスジェンダーの学生と一緒に学ぶことを全ての学生が、トランスジェンダーの学生がいる可能性があることを入学時から理解しておくためなどとしています。

トランスジェンダーの学生の受け入れ方針を公表した女子大学は、お茶の水女子大学、奈良女子大学、宮城学院女子大学に続いて4校目となります。

性的マイノリティの学生への対応に関する研修の実施(龍谷大学)

龍谷大学では、「ジェンダー・セクシュアリティ相談」が試行的に実施されたことに伴い、「トランスジェンダー学生への対応について」というテーマで教職員を対象とした研修を実施しました。

当日は、卒業生でもある講師を招いて、以下のプログラムで実施しました。

(1)当事者として私自身の経験
(2)性的マイノリティについて簡単な説明
(3)現在の性別違和当事者(性同一性障害当事者)をめぐる社会の状況
・文科省による通知について
・治療を受ける環境に関して
・お茶の水女子大や奈良女子大のトランスジェンダー学生の受け入れ
(4)大学に求められること

証明書から「性別」を削除(立命館アジア太平洋大学)

立命館アジア太平洋大学では、性的マイノリティーの人たちが学びやすい環境を整えるため、大学が発行するすべての証明書類で性別の記載をやめることにしたと発表しました。

3年前から職員の部会を設け、対応策を検討してきたとのことです。

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各分野の特色ある取組を紹介している記事について

各分野の特色ある取組については、本ブログでも紹介していますが、会員限定の「大学職員への就職・転職対策サイト」ではより多くの取組を紹介し、紹介する内容も定期的に追加しています。

また、会員限定の「大学職員への就職・転職対策サイト」では、各分野の特色ある取組だけでなく、

・志望動機や志望理由の実例紹介
・エントリーシート作成例の紹介
・テーマ別小論文作成例の紹介
・テーマ別グループディスカッション対策
・大学職員の面接試験を受ける方が事前に作成した想定される質問と回答予定内容
・大学職員採用試験を実際に受験した方から情報提供いただいた面接試験で実際に出された質問
・大学職員採用試験を受ける前に知っておきたい66のデータ
・各種大学ランキングの掲載URLの紹介
・その他大学職員採用試験に活用できそうな情報(女子大学の存在意義、URAと事務職員の役割分担、応募する大学の課題や弱みを確認する方法等)

など、一般には公開しにくい情報を中心に掲載しています。

よろしければ会員限定の「大学職員への就職・転職対策サイト」もご活用ください。
⇒(会員限定)大学職員への就職転職サイト

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