大学職員の仕事内容

大学職員の仕事⑨「情報システムの仕事」の紹介

大学職員の採用試験に合格するためには、仕事理解や業界研究を行う必要があります。そこで、現役大学職員である管理人が大学職員の「情報システムの仕事」について解説します。

はじめに

大学職員を目指す人の中にはSEの経験があり、大学の情報システム系の部署で働きたいと考えている人もいます。また、一般の事務職を希望する方であっても、システム系の仕事経験があるような人は、面接の場で大学のシステム系の部署で貢献できることなどについて質問されることもあります。

このため、これまでに情報システム系の業務経験がある人は、仮に自分自身が情報システム系の部署を希望しなかったとしても、大学の情報システム系の仕事は理解しておいたほうがよいです。

情報システム系の主な仕事

大学における情報システムの仕事は、一般の事務職員が担う仕事もあれば、システム系の専門職の方や、委託スタッフが担う仕事など様々なものがあります。

このような役割分担については大学によって異なるので一概には言えないのですが、全体的にどのような業務があるかについては理解をしておくといと思います。

ここからは大学の情報システム系の主な仕事を紹介します。

大学の情報ネットワーク・システム環境の維持・管理

大学全体の情報ネットワーク・システム環境の維持・管理となります。教員、職員、学生など、様々な構成員がメールをはじめとするシステム等を利用するため、それぞれが利用しやすいように維持・管理を行います。

大学の構成員以外にも他大学の教員や講師が来た際に、ゲストとしてネットワークを利用したりするのでそれへの対応をしたりもします。

また、各研究室や事務室、大学の施設内の情報機器(パソコン・プリンター・サーバ・wifi等)等の設置・管理なども行います。その他に、これらの様々な情報機器の契約手続きなども行ったりします。

システムに関する申請手続き対応

メールアドレスの追加発行、ウェブサイトの新規開設対応、共有サーバの構築、VPNの設定など、システムに関する様々な手続きへの対応を行う必要があります。

システム系に不慣れな教職員、学生も多いため、丁寧に対応することが求められます。

大学によっては留学生や外国人研究者が増えている大学もあり、そのような場合は英語での対応が求めらることもあります。このため、大学によっては英語でコミュニケーションのとれる人材を重宝する場合もあります。

システムに関する問い合わせ・トラブル対応

大学での業務を進めていると、システムに関する利用方法がわからない場合があったり、様々なトラブルが起きたりします。そのようなときは、情報システム系の部署に問い合わせがくるので、質問に応じて対応していく必要があります。

システムをうまく扱えていない人は、なぜか怒っているケースもあったりするとのことで、そのような人への対応はなかなか大変だったりもします。

また、トラブルが起こった際にもある程度は現場の職員で対応できるように、職員向けの研修などを行う場合もあります。

学生への情報機器(ノートパソコン等)の貸し出し

学生に対しては、ノートパソコンやタブレットなどの情報機器の貸し出しも行っています。そんなに難しいことはないのですが、ルールどおりに管理をしていく必要があります。

このような業務はどの大学でもアルバイトなどの正職員以外のスタッフに任せることが多いので、大学職員としてはそのようなスタッフの全体管理などを行うケースが多いです。

情報リテラシー教育の企画・運営

新入生に対しては情報リテラシーの教育を行ったりします。大学では高等学校と異なりメールでの連絡を行ったり、LMS(ラーニング・マネジメント・システム)を使った授業を行ったりするので、これらの利用方法を教えるための教育プログラムを考えたりします。

また、大学生はSNSへの不適切な書き込みを行ったりと、情報リテラシーが低い場合があるのでそのような観点からの教育も行っていきます。

大学によってはパソコン室に情報スタッフのようなスタッフを配置して、いつでも学生の質問に答えられるようにしていたりするのですが、そのようなスタッフの管理を行う場合もあります。

メディア教育(E-Learning、授業のビデオ録画)の企画・運営

最近の大学では反転授業が求められるようになってきており、大学によってはすでに対応をし始めています。

反転授業とは、授業と宿題の役割を「反転」させ、授業時間外にメディア教材等により知識習得を済ませ、教室では知識確認や問題解決学習を行う授業形態のことを指します。

つまり事前に授業動画を撮影し、それを学生が事前に勉強をして、自宅で勉強したことを前提に大学ではディスカッションなどを中心としたアクティブ・ラーニングを行ったりするものです。

このような授業形態がとれるように、システム部門の職員はシステム環境を整えるなどの対応を行う必要があります。

情報セキュリティに関する研修の企画・運営

大学に関するニュースを見ていると、個人情報の漏洩や大学のシステムが不正にハッキングされるなどのニュースをよく見ます。このようなこともあり、各大学では情報セキュリティに関する研修を行っていたりします。

通常の講義形式の研修からダミーの不正メールを送信し、騙されてクリックを行わないか確認するという研修もあったりします。

なかなか情報セキュリティの重要性を教職員全員に伝えることは難しいのですが、事故防止のための取組を進めていくのも情報システム部門の職員の仕事になっています。

姉妹サイトの「【会員限定】大学職員への就職・転職対策サイト」では、大学職員の採用試験を実際に受けた方にご協力いただき、面接試験で実際に出された質問などを紹介しています。実際にされた質問になるので、面接試験対策をする際にも参考になると思います。会員限定となりますが、よろしければこちらのサイトもご活用ください。
「大学職員採用試験で実際に出された面接試験での質問や筆記試験の内容(大学職員への就職・転職サイト)」はこちら

2024年10月時点では、以下の大学の情報を掲載しています。
秋田公立美術大学、大妻女子大学、追手門学院大学、桜美林大学、香川大学、学習院大学、神奈川大学、関西大学、関西学院大学、神田外語大学、北九州市立大学、九州工業大学、共愛学園前橋国際大学、京都光華女子大学、金城学院大学、慶應義塾大学、高知大学、国際基督教大学、国士館大学、滋賀県立大学、実践女子大学、淑徳大学、順天堂大学、常翔学園(大阪工業大学・摂南大学・広島国際大学)、上智大学、成蹊大学、成城大学、西南学院大学、玉川大学、多摩美術大学、千葉大学、中央学院大学、津田塾大学、東京医科大学、東京造形大学、東京電機大学、豊田工業大学、名古屋市立大学、福岡教育大学、福岡工業大学、福岡女子大学、藤田医科大学、星薬科大学、武蔵大学、武蔵野大学、明海大学、明治薬科大学、名城大学、ものつくり大学、山口県立大学、横浜市立大学、立命館大学、琉球大学、早稲田大学

システム面からの業務の効率化

大学では全体の仕事が増えていることもあり、業務の効率化が大きな課題になっています。業務の効率化には様々なやり方がありますが、個人がひとりひとりで取り組むよりも、システム面での改善が図れると大きな効果が発揮できます。

このため、大学全体の業務フローをシステムを活用して行うなど、大学によってはかなり力を入れてシステムからの業務効率化を進めています。

実際には過去の経緯や、システム化することで学生サービスの低下(システム化することで細かいオーダーに対応できない等)が懸念されるなど、システムを変えるということは大変なのですが、これからはシステム面からの業務効率化はもっと求められると思っています。

情報システムの主な仕事まとめ

ここ十数年で大学でのIT化はかなり進みましたが、それに伴いシステムに関する費用もかなり大きくなっています。この費用をいかに押さえていくかというのも1つの課題となっています。

また、近年はメディア教育の推進が叫ばれています。これは、学生に対して勉強のしやすい環境を提供することの一環ですが、非常に大事なことである反面、非常にお金がかかります。

便利な機能はたくさんありますが、何が自分の大学で必要となり何が必要でないかを判断していく必要があります。

情報システムに関する仕事は単にITの知識があればよいと思われがちですが、コミュニケーション力がとても重要になります。特に新しい取組(メディア教育等)を行っていく場合は、色々な人を説得する力が必要になるので、情報システム関係の仕事を希望する人はITの知識だけでなく、コミュニケーション力をアピールするとよいかと思います。

その他大学職員の「仕事理解」ができる記事

その他にも大学職員の「仕事理解」ができる記事がありますので、参考にご覧ください。

大学職員の仕事①「学生支援の仕事」の紹介
大学職員の仕事②「教務の仕事内容」の紹介
大学職員の仕事③「就職支援・キャリア支援の仕事」の紹介
大学職員の仕事④「産学連携・研究支援の仕事」の紹介
大学職員の仕事⑤「留学支援の仕事」の紹介
大学職員の仕事⑥「広報・入試の仕事」の紹介
大学職員の仕事⑦「人事・総務の仕事」の紹介
大学職員の仕事⑧「企画・財務・会計の仕事」の紹介

▼(会員限定)大学職員就職・転職対策サイトのご紹介▼
姉妹サイトの「大学職員就職・転職対策サイト」では、実際に応募した方のES作成例や面接試験で実際に出された質問など、一般では公開しにくい大学職員採用試験の生の情報を人数限定でお伝えしています。登録者が増えた場合は会員登録ができなくなりますので、ライバルに少しでも差をつけたいという方はお早めにご覧ください。
<よく見られる記事>
大学職員志望動機・志望理由実例集
大学職員ES項目別作成例集
大学別面接試験で実際に出された質問(50大学以上)
【100以上の面接試験を集計】面接試験で実際に出された質問TOP18
★【全12大学】最終面接で実際に出された質問まとめ
応募する大学が抱える課題や弱みを確認する方法
【全15個】テーマ別小論文作成例
テーマ別グループディスカッション対策
大学職員採用試験を受ける前に知っておくべきデータ66

管理人プロフィール

本サイトのコンテンツ一覧

大学職員の仕事理解・職業理解
大学職員の採用試験に応募する前の準備
応募書類作成・書類選考対策
筆記試験・適性検査、作文・小論文試験対策
集団面接・グループディスカッション対策
面接試験対策
大学職員の採用試験対策全般
大学職員採用試験対策のための業界研究
大学職員採用試験の合格・内定に関する情報
大学職員コラム

-大学職員の仕事内容