大学職員として必要な知識や情報を蓄積するため、大学関連の書籍を読んでいます。

大学職職員を目指す方の就職・転職活動をするうえでは、大学の「業界研究」を行う必要があります。

そのときに、大学関連の書籍を探している人もいると思うので、ネタバレしない程度に参考に学んだことなどをお伝えしたいと思います。

今回は、「オックスフォードからの警鐘-グローバル化時代の大学論」です。

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書籍情報の紹介

■タイトル
オックスフォードからの警鐘-グローバル化時代の大学論

■著者名
苅谷 剛彦

■略歴(書籍刊行当時)
・オックスフォード大学社会学科および現代日本研究所教授、セント・アントニーズ・カレッジ・フェロー
・放送教育開発センター助教授、東京大学大学院教育学研究科教授を経て2008年から現職

目次

第一部 「スーパーグローバル大学」の正体
第二部 文系学部廃止論争を超えて
第三部 海外大学・最新レポート
第四部 ガラパゴスからの脱出
終章 「グローバル大学」への警鐘――日本の大学は何をめざすべきなのか?

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この本を読んだ理由

近年、大学ではグローバル化(国際化)が叫ばれています。私が勤務する大学でも、その傾向が顕著に出ています。

しかし、グローバル化(国際化)を進めようとすると、外国人留学生、外国人研究者、日本人学生の海外留学、資料や施設案内表示の多言語学化、宗教に配慮した設備の設置、留学生に合わせた秋入学の導入の検討、留学生のための入試の実施、英語なよる授業の実施など、やることが多すぎる状況です。

私自身は各大学が得意とする分野や伸ばしたい分野の取組を進めるべきと理解していますが、そもそも大学におけるグローバル化とは何かについて、理解したいと思っていました。

そんなときにこの本にいきつき、読んでみることにしました。

著者の苅谷剛彦先生は東京大学で勤務した後、イギリスのオックスフォード大学で勤務されており、日本とイギリスの教育現場で実際に活躍されていた方でもあります。

学んだことや感想

序章

<特に印象に残ったこと>
・改めて大学が何のためにあるかという原点をもとに、英米の大学と日本の大学の性質の違いについて言及されており、これまで日本の大学に求められてきた機能について理解ができました。

・世界の大学でも大学間の競争が激しくなっており、海外の優秀な学生を入学させることによるメリットや世界大学ランキングの重要性について理解できました。

・日本の大学では、世界大学ランキングなどはそこまで重視しない傾向がありますが、グローバル化(国際化)を進めるうえでは重視していく必要があると感じました。

・日本の大学が生き残っていくための方向性や考え方についてはまさにそのとおりだと感じました。

第一部 文系学部廃止論争を超えて

「「国際競争力」という幻想」、「オックスフォードから見た日本」「スーパーグローバル大学のゆくえ――外国人教員「等」の功罪」について書かれています。

<特に印象に残ったこと>
・リアルな競争の場と想像上の競争の場を定義し、日本の大学の置かれている現状について理解することができました。

・そのうえで、意味のない、戦略のないグローバル化(国際化)は進めるべきでなく、日本の大学が進むべき方向性を理解することができました。

・オックスフォード大学と日本の大学を比較することで、日本の大学の課題が見えてきました。

・オックスフォードと日本の大学はもちろん置かれている環境や状況は異なりますが、グローバル化(国際化)を進めていくのであれば、世界の大学の状況を知っておく必要があると改め感じました。

・文部科学省が進めている「スーパーグローバル大学創成事業」の問題点、数値目標のからくりなどを初めて知り、日本の政策の限界も感じました。

第二部 文系学部廃止論争を超えて

「国立大学の憂鬱――批判のレトリックをめぐる攻防」、「文系学問の国際貢献と大学ランキング」について書かれております。

<特に印象に残ったこと>
・以前にあった「文系廃止論」について、イギリスでも同様の指摘があったことを初めて知り、この指摘へのオックスフォードの対応は、日本においても同じような主張ができれば、文系の必要性を主張できると感じました。

・日本におけるグローバル化(国際化)は、現状では質より量を優先していますが、著者の指摘のとおり、質を重視しなけれ本当の意味でのグローバル化(国際化)につながらないと思いました。

第三部 海外大学・最新レポート

「EU離脱と高度化人材」、「グラマースクール復活から見るイギリスの政策論議」、「どこでも行ける者と留まる者」、「教育の不平等をめぐる国際会議」について書かれています。

<特に印象に残ったこと>
・イギリスのEUの離脱から、世界から評価される大学はどのような大学かを改めて示しており、これは日本の大学にも共通する部分だと感じました。

第四部 ガラパゴスからの脱出

「大学院競争に乗り遅れる日本」、「成人力がトップなのに生産性が低い理由」について書かれています。

<特に印象に残ったこと>
・日本の大学院教育がアメリカやイギリスよりも遅れている理由について、企業側の待遇が関係していることを研究データも含めて理解することができました。

・また、そのことが学部教育にも影響を及ぼしているということを初めて知りました。

・日本の大学の特殊性から、日本の大学に欠けている点を指摘しており、まさにそのとおりだと感じました

終章

<特に印象に残ったこと>
・世界大学ランキングが始められた背景と問題点について理解することができました。

・世界の留学生を考えると中国から海外へいく留学生が増えていることはイメージできていましたが、数字で確認をしてみるとかなりインパクトのあるものでした。

大学職員を目指す方へのオススメポイント

「オックスフォードからの警鐘」は、イギリスの大学の実情を挙げながら、日本の大学の課題などを示しており、大学が抱える課題を知るという意味では、大学職員を目指す方にとっても読む価値のある本題と思います。

本自体もすごく読みやすく、学ぶことも多いと思います。

特に、「教育改革」に興味がある方や国際関係や留学生支援などの仕事を希望する方にオススメです。

採用試験を受ける大学の中では、スーパーグローバル大学事業に採択されている大学もあると思うので、実際の状況を知っておく、面接の場でも有利になるかもしれません。

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