この記事では、大学職員採用試験の面接で「大学が生き残っていくために必要なことは何だと思いますか」と聞かれた場合の考え方や回答例を紹介します。
少子化や大学間競争が進む中で、大学には、教育の質を高めること、特色を明確にすること、社会から選ばれる大学になることが求められています。回答では、危機感だけを述べるのではなく、職員としてどのような視点で大学運営に関われるかを示すことが大切です。
<面接官の視点や回答の方向性>
大学の生き残り策については、多くの大学で重要な課題となっています。18歳人口の減少、学生募集の競争、教育・研究への期待、財政面の課題など、大学を取り巻く環境は厳しくなっています。
面接官は、この質問を通じて、応募者が大学業界の現状を理解しているか、場当たり的ではなく大学の特色に合った提案ができるかを見ています。単に「広報を強化する」「改革を進める」と答えるだけではなく、どのような根拠に基づいて判断するのか、誰にどのような価値を提供するのかまで考える必要があります。
最近の大学では、感覚的な判断ではなく、データや根拠に基づいた意思決定が重視されています。IRの考え方を踏まえ、学生募集、教育改善、学生支援、財務、広報などをつなげて考えると、回答に説得力が出ます。
◆用語確認
「IR(Institutional Research)」とは、大学の経営改善や学生支援、教育の質向上などのため、学内データを収集・分析し、改善施策を立案し、施策の実行・検証を行う活動を指します。
<回答例1>
大学が生き残っていくためには、社会や学生が求めていることを分析し、その結果に基づいて改革を進めることが必要だと考えます。高校生が進路選択で重視する点、在学生が大学生活で困っていること、卒業生が社会で役立ったと感じている学びなどを確認し、教育や支援を改善していくことが大切です。さらに、その取組を社会にわかりやすく伝えることで、選ばれる大学につながると思います。
【考えられる追加質問】
・学生や高校生のニーズを把握するために、どのような方法が考えられますか。
・分析した結果を、どのように実際の改善につなげますか。
<回答例2>
時代の変化に対応していくことが必要だと考えます。少子化、グローバル化、人生100年時代、デジタル化などにより、大学に求められる役割は変化しています。これまでと同じ教育や支援を続けるだけでは、社会から選ばれにくくなると思います。大学の建学の精神や強みを大切にしながら、社会の変化に合わせて教育内容や学生支援を見直すことが重要だと考えます。
【考えられる追加質問】
・大学が特に対応すべき社会の変化は何だと思いますか。
・伝統を守ることと改革を進めることを、どのように両立させますか。
<回答例3>
大学の特色を明確にし、それを学生や社会に伝えることが必要だと考えます。大学間競争が厳しくなる中で、どの大学でも同じような説明をしていては、受験生に魅力が伝わりにくいと思います。教育の強み、研究分野、地域との連携、就職支援など、応募先大学ならではの価値を整理し、広報や入試、在学生支援と一体で発信することが大切だと思います。
【考えられる追加質問】
・大学の特色を見つけるために、どのような情報を確認しますか。
・特色を発信する際に、受験生と保護者では伝え方を変える必要がありますか。
<回答例4>
教育の質を高め、学生の成長を実感できる大学になることが重要だと考えます。大学が生き残るためには、入学者を集めるだけでなく、入学後に学生が成長し、卒業後に社会で活躍できることが大切です。授業改善、学修支援、キャリア支援、課外活動支援などを通じて、学生に選ばれ、卒業生にも評価される大学を目指す必要があると思います。
【考えられる追加質問】
・学生の成長を、どのような方法で確認するとよいと思いますか。
・教育の質向上に、職員はどのように関われると思いますか。
<回答例5>
前職で業務改善に関わった経験から、大学が生き残るためには、限られた資源を有効に使うことも必要だと考えます。学生支援や教育改革を進めるには、人員や予算が必要です。そのため、業務の重複を見直し、デジタル化や部署間連携によって効率化を進めることで、職員がより価値の高い業務に時間を使えるようにすることが大切だと思います。
【考えられる追加質問】
・大学業務で効率化できるものには、どのような例があると思いますか。
・効率化を進める際に、学生や教員への影響をどのように考えますか。
<まとめ>
大学が生き残るためには、データに基づいた判断、大学の特色の明確化、教育の質向上、社会の変化への対応、業務改善などを総合的に考える必要があります。面接では、応募先大学の特徴を踏まえたうえで、自分が職員としてどのように貢献できるかまで説明しましょう。
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