大学職員への就職・転職をするためには、大学がどんな取組みを行い大学職員がどんな業務に携わっているのか、今の大学のトレンドは何かなどを知っておくことで採用試験を有利に進められる場合があります。大学の理解を深めるための方法には色々なものがありますが、1つの方法として大学に関連するニュースを定期的に確認しておくというものがあります。
大学に関連するニュースを見ていたことにより、エントリーシートに記載する内容の幅が広がったり、面接試験時に想定していなかった質問がきた際にも、うまく対応ができる場合があります。
そこで、この記事では大学職員への就職・転職を目指す方が大学に関連するニュースを確認しやすいようにするため、2週間に1回程度、私が気になったニュースとその概要を分野別にまとめています。ぜひ大学職員への就職・転職活動にお役立ていただければと思います。
教育・教育改革
・中央大学理工学部、2024年度からD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)科目新設&後楽園ダイバーシティラウンジを設置 ―3月14日に記念シンポジウム「理工D&I教育がひらく未来」を開催―
https://www.u-presscenter.jp/article/post-52730.html
[記事の概要]
中央大学理工学部は、2024年度からダイバーシティ&インクルージョン(D&I)に関する科目を新設し、後楽園キャンパスにダイバーシティラウンジを設置します。この新しい取り組みは、より多様で包摂的な社会の実現に向けた中央大学理工学部の教育体制の整備を目指しています。新設されるD&I科目では、ジェンダー・セクシュアリティ論、障害学、多文化共生論など、現代社会が直面する様々な課題に対する理解を深め、科学技術分野におけるこれらの問題への取り組み方を学ぶことができます。これらの科目を通じて、中央大学理工学部は、社会の要請に応えることができる人材の育成を目指しています。また、2024年3月14日には、これらの取り組みを記念して「理工D&I教育がひらく未来」をテーマにしたシンポジウムが開催されます。
・京都芸術大学・京都精華大学・立命館大学、ゲーム制作合同ゼミ「AIゲーム ワークショップ」開催
https://ict-enews.net/2024/02/22kyoto-art/
[記事の概要]
京都芸術大学、京都精華大学、立命館大学は共同で、「AIゲーム ワークショップ」を開催しました。このワークショップは、京都芸術大学芸術学部、京都精華大学デザイン学部、立命館大学映像学部の学生約15名を対象に行われ、ゲーム制作におけるAIの最新動向や将来の展望について学びました。モリカトロン代表取締役である森川幸人氏による「ゲーム×AI」に関する講演の後、AIを用いたシナリオ生成ゲームをプレイするグループワークが実施され、参加学生はゲームとAIの組み合わせによる未来について深く考察しました。
(参考記事)実際に大学職員に応募した方の志望動機・志望理由の実例まとめ
(参考記事)大学職員のエントリーシート作成例まとめ
(参考記事)大学職員採用試験の小論文テーマ別作成例
(参考記事)大学職員採用試験のグループディスカッション対策記事(テーマ別対策)
研究支援
・大学の研究資金受入額、2022年度は6.8%増 文部科学省調査
https://univ-journal.jp/242417/
[記事の概要]
全国の国公私立大学の研究資金受入額が2022年度に前年度比6.8%増の4,390億円に達したことが、文部科学省の調査で明らかになりました。この増加は、民間企業からの受入額が前年度比8.1%増の1,381億円、共同研究による受入額が9.0%増の973億円と、共同研究や受託研究、治験、知的財産権に関する活動が活発になった結果です。特に、1件当たりの受入額が1,000万円を超える共同研究の受入額は、前年度比10.6%増の558億円に上り、共同研究1件当たりの平均受入額は約321万8,000円でした。また、特許権など知的財産権による受入額も前年度比で4億2,000万円増の65億1,000万円に達し、そのうち特許権による受入額が全体の約7割を占める44億8,000万円でした。この調査結果は、大学と産業界との連携が一層深まり、研究開発活動が盛んになっていることを示しています。
学生支援
・【武蔵野大学】57の学生起業プロジェクトが集結!アントレプレナーシップの祭典「EMC SUMMIT −未来の前では、誰もが仲間だ。−」を開催~「アントレプレナーシップは教えることはできない。しかし育むことはできる。」を確信!~
https://www.u-presscenter.jp/article/post-52739.html
[記事の概要]
武蔵野大学アントレプレナーシップ学部は、2024年1月27日に「EMC SUMMIT −未来の前では、誰もが仲間だ。−」を開催しました。このイベントでは、学生が取り組む57のプロジェクトが展示され、選抜された11チームがピッチを行いました。参加者は現地とオンライン合わせて1,000名を超え、アントレプレナーシップの育成と学生の実践的な学びの場を提供することを目的としています。教員陣は「アントレプレナーシップは教えることはできないが、育むことはできる」と確信を表し、学生たちの成長とプロジェクトへの情熱を称賛しました。次回は「EMC global SUMMIT」として、2025年2月1日に国際的な規模での開催を予定しています。
社会貢献・地域貢献
・昨年は2,000名を超える来場者!甲南大学が親子で楽しむイベント「キッズフェスティバル2024」を3月10日(日)に開催
https://www.u-presscenter.jp/article/post-52726.html
[記事の概要]
甲南大学は、2024年3月10日に岡本キャンパスで親子向けイベント「キッズフェスティバル2024」を開催します。このイベントは、「えがお満開宣言!~みんなの笑顔で彩る一日~」をテーマに、地域への感謝を込めて2017年から続けられており、昨年は2,000名を超える来場者がありました。縁日やエコバッグ作り、キラキラ砂時計作りなどの工作活動、女子陸上競技部による「かけっこ教室」、マジックショーなど、甲南大生と交流できる多彩なプログラムが用意されています。さらに、消防士体験やミニ四駆製作など、地域企業・団体と協力した体験型プログラムも予定されており、親子で楽しめる内容が満載です。
・千葉商科大学学生が地域活性化イベント「鎌ケ谷プロモーションDAY!!」を3/16・17に開催
https://www.u-presscenter.jp/article/post-52707.html
[記事の概要]
千葉商科大学政策情報学部は、鎌ケ谷市の地域活性化を目的とした「鎌ケ谷プロモーションDAY!!」を3月16日(土)と17日(日)に開催します。2021年12月に鎌ケ谷市との包括協定締結以来、学生主導で地域紹介冊子の制作や市民向けイベントなどを実施してきました。このイベントでは、地域探究型のロゲイニングカードゲームや社会課題をテーマにしたゲーム体験会、プロジェクションマッピング上映など、学生が制作したプログラムを通じて鎌ケ谷市の魅力や社会問題について楽しみながら学べる内容が用意されています。イベントは無料で参加可能で、鎌ケ谷市南部公民館で行われます。
グローバル化
・金沢星稜大学、「留学生文化体験ウィーク」を実施 留学生が茶道を体験
https://univ-journal.jp/241785/
[記事の概要]
金沢星稜大学は、2023年12月20日に「留学生文化体験ウィーク」を実施し、台湾や中国からの留学生4名が茶道を体験しました。このイベントは、茶道部の協力のもと、大学内の「群青の間」で行われ、留学生たちは日本の伝統的な茶の湯の作法や歴史について学びました。参加した留学生は、正座の習慣の違いや、抹茶と和菓子の味わい、和室の静かな雰囲気を楽しむとともに、茶道が持つ心の静寂や美意識、共有と感謝の精神について深く感じ取ることができたと述べています。この文化体験を通じて、留学生たちは日本の伝統文化に触れ、異文化理解の促進に貢献しました。
入試・広報・高大連携
・女子学生から女子中高生へエール本、大阪大学が「will」発行
https://univ-journal.jp/242401/
[記事の概要]
大阪大学は、女子中高生に向けて大学の魅力を伝える広報冊子「will」を発行しました。この冊子は、女子学生から中高生へのエールを送る内容で、学年別の女子学生インタビューや理系で学ぶ女子学生の対談、卒業生のメッセージなどを通じて、女子中高生が知りたい情報を紹介しています。OECDによると、STEM分野における女子学生の割合は日本が加盟国中最低水準であり、大阪大学でも理工系分野の女子学生割合が30%を下回っています。この冊子は、無意識の偏見や固定観念に対抗し、理工系に興味を持つ女子中高生が進路を変更することなく、自分の興味や能力に応じた分野を選択できるようにすることを目的としています。大阪大学は、女子中高生が理工系分野に進むことを促し、ダイバーシティとインクルージョンの観点からSTEM分野の女性の割合を高める取り組みを進めています。
(参考記事)大学職員の面接試験で実際に出された質問まとめ
(参考記事)大学職員採用試験の最終面接で実際に出された質問まとめ
(参考記事)大学職員の面接試験を受ける方が実際に準備した想定質問と回答
(参考記事)応募する大学の「課題」や「弱み」の確認方法と「課題」等の提案例
(参考記事)女子大学の存在意義について~女子大学ならではの特色ある取組みとは
大学経営
・姫路日ノ本短期大学、2025年度以降の学生募集停止を決定
https://univ-journal.jp/242343/
[記事の概要]
学校法人日ノ本学園は、2024年2月7日の理事会で、2025年度以降の姫路日ノ本短期大学の学生募集を停止することを決定しました。1974年に開校して以来、49年間で6,525人の卒業生を輩出し、地域社会で幅広く活躍してきました。しかし、18歳人口の減少や4年制大学への志向の高まりなど、短期大学にとって厳しい社会状況が続き、大幅な定員割れが問題となっていました。学園内での議論の結果、学生募集の停止が決定されました。2024年度の入学生および在学生への教育や進路支援は変わらず全力で行われ、学籍簿の管理や証明書の発行などのサポートも継続されます。この決定により、播磨エリアの短期大学は豊岡短期大学姫路キャンパスと兵庫大学短期大学部の2校となります。
・名古屋女子大学、2025年度から共学化、短大は募集停止へ
https://univ-journal.jp/242338/
[記事の概要]
名古屋女子大学は、学校法人越原学園の理事会で2025年度から男女共学化し、大学名を「名古屋葵大学」に変更することを決定しました。同時に、短期大学部は2025年度以降の学生募集を停止します。この決定は、若者の女子大学や短期大学からの離れが進み、定員割れが深刻化している状況を受けたものです。名古屋女子大学は1915年に名古屋女学校として開校し、1964年に現在の名前になりました。しかし、収容定員に対する充足率が7割足らずとなっており、18歳人口の減少も見込まれる中で共学化を選択しました。新名称の「葵」は、学園創立の地である名古屋市東区葵町にちなんでいます。名古屋女子大学短期大学部は1950年に名古屋女学院短期大学として開設され、1964年に現在の名称になりましたが、今回の共学化に伴い、その歴史に幕を下ろすことになりました。
ランキング・調査
・【大学受験2024】国公立大の人気上昇、難関7大学で志願者増…河合塾
https://resemom.jp/article/2024/02/22/76063.html#google_vignette
[記事の概要]
河合塾は2024年2月21日に「2024年度国公立大志願状況」を公開し、国公立大学入試の動向分析を行いました。分析によると、2024年度の国公立大学一般選抜の総志願者数は前年度比110人増の423,256人で、志願倍率は4.3倍と前年度と同じでした。特に、難関国立大学では10大学中7大学(東京大、京都大など)で志願者が増加しました。この結果は、18歳人口と大学入学共通テストの受検者数が減少している中で、国公立大の人気が上昇していることを示しています。また、新課程入試を控えた安全志向の動きは見られませんでした。文系では「文・人文」、理系では「総合・環境・情報・人間」の分野で志願者が増加しましたが、「社会・国際」「法・政治」「農」などの分野では減少が見られました。
その他
・2024年度入試、18歳人口減少でも私立大学志願者数は増加
https://univ-journal.jp/column/2024242332/
[記事の概要]
2024年度の大学入試において、18歳人口の減少にもかかわらず、私立大学の一般選抜志願者数は昨年よりもやや増加していることが明らかになりました。河合塾と代々木ゼミナールの情報サイトによると、全体の志願者数は前年比で102%(河合塾集計)と100.6%(代々木ゼミナール集計)となっており、特に共通テスト利用方式での志願者数が増加しています。学部系統別では、外国語、神・仏教、国際、社会福祉、医、看護、医療技術、芸術の分野で志願者数が増加しており、特に外国語と国際分野の回復が見られます。また、早慶上智、東京理科大のトップグループや成蹊大学、成城大学、明治学院大学、國學院大学、武蔵大学のグループで前年比の伸びが目立ちます。この結果は、各大学の努力によって受験生の動向に影響を与えることが可能であることを示しています。
大学職員に就職・転職したい人が確認しておきたい大学ニュース(2024年2月5日・12日の週版)
大学職員に就職・転職したい人が確認しておきたい大学ニュース(2024年1月22日・29日の週版)
大学職員に就職・転職したい人が確認しておきたい大学ニュース(2024年1月1日・8日・15日の週版)
大学職員に就職・転職したい人が確認しておきたい大学ニュース(2023年12月18日・25日の週版)
大学職員に就職・転職したい人が確認しておきたい大学ニュース(2023年12月4日・11日の週版)