この記事では、グループディスカッションの特徴や評価項目、マイナス評価となる避けるべき対応(NG対応)、好印象を与えるポイント、大学職員採用試験で実際にどんなテーマが出されているのか、グループディスカッション試験対策の進め方などについて解説します。
グループディスカッションとは
グループディスカッションとは採用試験の試験形態の1つで、採用側から提示されたテーマに基づいて複数名のグループでディスカッション(議論)を行い、テーマに関する結論を導き出し発表を行うというものです。企業や大学によっては発表は省略する場合もあります。
1つのグループは3~10人程度と言われていますが、一般的には4~7人程度が多いという印象です。
採用側はディスカッションの中身にほとんど口を出さず、ディスカッションの様子を客観的に見て受験者を評価し、合否を決定します。
グループディスカッションは面接試験とも異なるところがかなり多いので、志望する大学でグループディスカッション試験が実施されるのであれば、試験前にしっかりと試験対策を行っておく必要があります。
グループディスカッションとグループワークとの違い
グループディスカッションに近い試験形態として「グループワーク」というものがあります。大学職員採用試験でこのグループワークを実施している大学は少ないのですが、念のため2つの違いは押さえておいたほうがよいと思います。
グループディスカッションは上記でお伝えしたように、「グループでディスカッションをして結論を出す」ということであるのに対し、グループワークは「グループでディスカッションやワークをして何らかの成果物を出す」というものになります。
少しわかりにくいのですが、大学職員採用試験で実際に出されたグループワークのテーマとしては、「制限時間内に51枚のカードに記載されている「理想の働き方」を6枚選ぶ(グループ全員の意見として納得することが条件)」というようなものがあったとご報告がありました。
このようにグループディスカッションとグループワークでは結論を出すまで過程が変わってきたりもするので、応募する大学で実施する試験がグループディスカッションなのかグループワークなのかはしっかりと確認しておくようにしましょう。
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企業や大学がグループディスカッションを実施する目的
就職・転職活動をするうえでは、企業や大学が「その選考を実施する目的」を知っておいたほうが試験対策を進めやすくなります。それは採用側がその試験を実施する目的を理解し、それに合った対応や振る舞いをすることで、採用側が見極めたいポイントをアピールすることができるからです。
企業や大学がグループディスカッションを実施する目的は、
①筆記試験や面接試験などの他の試験では確認しにくい積極性(主体性)やコミュニケーション能力、協調性などを確認したい
②集団の中の振る舞いややりとりからその人のキャラクター(リーダーシップがあるかや気が遣える人か等)が見たい
③個人面接の前に応募者を絞りたい
などがあります。
このため、グループディスカッションでは積極性(主体性)やコミュニケーション能力、協調性、自分自身のキャラクターをアピールできるように意識して臨むとよいでしょう。
グループディスカッションの評価項目と評価のポイント
続いて、グループディスカッション試験を受けるうえでは、採用側がどのように評価をしているか、つまりどのような部分を見られているかを知っておくことも重要になります。
グループディスカッションの評価項目は、もちろん大学によっても異なりますが、主に、
①積極性(主体性)
②協調性(チームワーク)
③コミュニケーション力(表現力・発想力・傾聴力・姿勢)
④論理性
⑤リーダーシップ力(ファシリテーション力)
などとされることが多いです。
実際には大学によって求める人材像が少しずつ異なるので、各大学の求める人材像に合わせて評価項目が設定されることになります。これらの評価項目については、3段階や5段階で個人ごとに評価を行うことが多く、最終的にはグループ内での順位をつけることもあります。
それぞれの評価項目について、どのような視点で見られているかを知っておくことは、グループディスカッションでよい評価を得るためには非常に重要なことになるため、以下の評価項目ごとのポイントを頭の中に入れておくようにしましょう。
①積極性(主体性)の評価ポイント
・自分から進んで議論に参加しているか
・課題を解決する姿勢があるか
・結論に向けた発言ができているか
②協調性(チームワーク)の評価ポイント
・自分と異なる意見や価値観を尊重しているか(メンバーを尊重する姿勢があるか)
・メンバーとよい関係を築けているか
・自分の意見を主張し過ぎていないか
③コミュニケーション力(表現力・発想力・傾聴力・姿勢)の評価ポイント
・自分の意見をわかりやすく伝えているか
・新たな視点をもっているか
・メンバーの話をしっかり聞けているか(理解しようとしているか)
・話しやすい雰囲気を作れているか
④論理性の評価ポイント
・根拠に基づいて発言をしているか
・発言に一貫性はあるか
・筋道立てて説明ができているか
⑤リーダーシップ力(ファシリテーション力)のポイント
・ディスカッション全体の円滑な進行に貢献しているか
・グループのディスカッションの活性化に貢献しているか
・メンバーを巻き込みながらディスカッションができているか
・議論が逸れたときに軌道修正できているか
グループディスカッションの基本的な流れ
続いて、グループディスカッションの基本的な流れについて解説します。実際の試験の場では大学側からも当日の流れや進め方について案内があるので、大学によっても少しずつ異なりますが、基本的な流れについては押さえておくようにしましょう。
グループディスカッションは、
①テーマ、時間、ディスカッションを行ううえでのルール等の確認
②挨拶や自己紹介
③役割(司会、タイムキーパー、書記、発表者等)の決定
④おおまかなタイムスケジュールの確認・決定
⑤議論の方向性の確認
⑥意見交換(アイデア出し)
⑦意見まとめ
⑧発表の準備
⑨発表
のような流れで進められることが多いです。
①~③については、ディスカッション前に必ず実施することになるため問題ないと思います(大学によっては役割分担をすることについて指示がなく、役割分担するかしないかもグループにまかせるような場合もあるようです)。ただ、④及び⑤については、時間が限られていることもあって焦ってしまい、スケジュールや方向性を確認しないままディスカッションを始めてしまうこともあります。
そうなると、最後の意見をまとめる時間や発表の準備時間がなくなってしまったり、よい結論に導けるような意見交換ができなくなってしまう可能性もあるため、いきなりディスカッションが始まってしまった場合は、一度、議論を止めて、タイムスケジュールや議論の方向性を確認するように促すようにしましょう。
グループディスカッションは「議論の方向性」を意識することが重要
グループディスカッションを進めていくうえでは、そのグループとして「どのような方向性でディスカッションをしていくか」を意識しながら進めることが重要になります。
この方向性の確認を行わないままディスカッションをしてしまうと、ディスカッションが色々な方向に拡散してしまい、意味のある議論ができなくなってしまうだけでなく、結論に導くことが難しくなり、場合によってはグループ全体の評価も低くなってしまう可能性があります。
例えば、「本学が生き残っているためにはどのような取組が必要か」というテーマになった場合、「高校生以外のターゲットを増やすため」の議論を行うのか、「他大学にない魅力を高めるため」の議論を行うのか、「受験生を増やすための広報活動」の議論を行うのかで、ディスカッションの中身や結論が変わってきます。
これを方向性の確認を行わないままディスカッションを始めてしまうと、議論が色々な方向に拡散してしまい、結論をまとめるのがとても大変になります。
このため、ディスカッションを行ううえでは、どんな役割であっても議論の方向性が間違っていないかを常に確認しながら進める必要があります。
グループディスカッションにおける役割について
グループディスカッションでは、ディスカッションの前に役割を決めたうえで進めることになります。一般的には司会、タイムキーパー、書記、発表者、その他役割のない人などがあり、グループ内で役割を決めることになります。
それぞれに求められる役割があったり、人によって得意・不得意があったりするので、まずは各役割に求められるものは何かということを理解し、自分自身では何ができそうかということを考えておくようにしましょう。
また、実際の試験の場では、自分がやりたいと思っていた役割ができない可能性もあるので、いくつかの役割を担うことをイメージしておくようにしましょう。
司会に求められるもの
司会に求められるものは、大きく言うと「ディスカッション全体のマネジメント」になります。まずは、全体の議論の流れや方向性をメンバー内で合意をとり、話しやすい雰囲気を作ったり、うまく話せていない人に対して声をかけてみるなど、グループ全体のディスカッションが活性化し、結論まで導けるように進行する必要があります。
うまく進行ができれば評価は高くなりますが、うまく進行ができなかった場合は、逆にうまくいかなかったことが目立ってしまうことにもなります。また、どんなメンバーがいるのか、どのような意見が出るかわからない中で、瞬時に判断をしながらグループ内のディスカッションを進行していくのは難しい面も多いです。
このため、日ごろからゼミなどでディスカッションを経験している人や部活動のリーダーをやっている人などが向いていると思います。もちろん訓練することもできますので、事前に司会の準備ができている方も積極的にこの役割を担ってもよいと思います。
タイムキーパーに求められるもの
タイムキーパーに求められるものは、役割の名前のとおり、時間をマネジメントすることです。ただし、単に「あと10分です」、「もう終わりの時間です」などと言うだけだと自分自身のアピールにはなりません。
例えば、「残り時間も少なくなってきたので、先ほどAさんから提案があった〇〇について議論するのはいかがでしょうか」、「残り時間が〇分となりますのでそろそろまとめに入ったほうがよいかもしれません」、「残り時間が〇分となりましたが、かなり盛り上がっているので1、2分延長しましょうか」などと、ディスカッションがうまく進むように臨機応変に対応することも必要になってきます。
とはいえ、最低限の時間マネジメントができればマイナス評価になることは少ないので、苦手意識を持つ必要もあまりないと思います。
ただし、グループ内の議論が盛り上がり、タイムキーパー以外のメンバー目立ってしまうと、相対的に評価が低くなってしまう可能性があるので、自分の役割をこなすだけでなく、ディスカッションの中で意見を言うことも重要になってきます。
書記に求められるもの
書記に求められるものは、グループ内で決められたディスカッションの流れや、メンバーから出された意見をわかりやすく端的に書き出し共有することです。
ただし、単に発言内容をそのまま書けばよいということではなく、メンバーから出された意見については、カテゴリごとに分けたりしてわかりやすくしたり、発表しやすいようにまとめていくことも求められます。
このため、必要な情報を取捨選択するとともに、情報を整理する能力が必要になります。
もともと議論の内容をまとめるのが好きだったり得意だったりする人もいるので、そのような方は積極的に書記を狙っていってもよいと思いますが、司会が得意でなかったり、意見を言うことが苦手という理由で書記を狙っていく場合は、議論をまとめる訓練をしておく必要があります。
また、書記であっても、タイムキーパーと同様に、よいアイデアがあれば提案をしてもよいですし、議論の途中で「現状ではこのような意見が多く出ているので、この部分の意見がもう少し出るとよいかもしれないですね」などとグループの議論を方向付けたり、活性化させたりすることができればよりよい評価になったりもします。
発表者に求められるもの
発表者に求められるものは、順序立てて、論理的に説明することです。最近の大学生は、大学でのゼミ等で発表することに慣れている人も多いので、得意と考える人は積極的にこの役割を担ってもよいと思います。
ただし、発表者だからといってディスカッションに消極的だとその点についてはマイナス評価となる可能性もありますし、発表する際は、グループ内で発表する内容についてある程度の合意をとっておく必要があります。そのうえで、発表の中で自分らしさを表現できるとよいと思います。
発表者については、1名ではなく複数名で実施する場合もあるので、そのような場合は、「発表の全体進行をする人」、「どのように議論をしたかを説明する人」、「結論とその根拠(理由)を説明する人」などというように、発表者の中で役割を分ける場合もあります。
「役割のない人」が求められること
役割のない人が求められることは、ディスカッション全体に貢献することです。ディスカッションの中では、自分の意見(提案)を言う場合もあれば、メンバーの意見(提案)に対して感想を言ったり、議論の方向性について意見を言うなど、様々な貢献の形があります。
アピールするためには一定の発言量が必要ですが、自分ばかり発言するとそれはそれでマイナスの評価になったりもするので、バランスも重要になります。
もし、自分ばかり発言していると感じたら、「私ばかり話してしまっているのでよろしければ皆さんからもぜひご意見をお願いします」などと、周りへの配慮を行うことも必要になります。
役割がないからといって必ずしも不利になるわけではないので、役割がないとしてもディスカッションに貢献することを意識するようにしましょう。
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役割によって有利・不利はあるか
よく「役割によって有利・不利はあるか」ということについて聞かれることがあるので、私なりの考えをご紹介したいと思います。
私としては有利・不利はあまりないと考えています。
何となく司会の人の評価が高いと思われがちですが、司会が得意でない人がその役割を担ってしまうと評価は低くなってしまいますし、役割のない人であっても、意見交換の途中で適切に内容を整理したり、議論全体を引っ張っていたりすると、評価が高くなるというケースもあります。
ただ、役割がないとなかなか自分をアピールしたり発言したりすることができないという人であれば、何らかの役割を担ったほうがよいと思います。
グループディスカッションは、グループ内の選考通過者が1名ということは少なく、もともとグループ内で1番になる必要はないことや、役割を担わなかったとしてもディスカッションの場でもアピールできるので、基本的には不得意な役割にはならないことが重要になります。
ただし、例えば、司会をやる人が決まらなくて、話が進まなくなってしまったときに、「得意ではないですがやってみます」などと、その場の空気を読んで司会を行う場合などは、あまりうまく進行できなかったとしても、採用担当としては評価を高くしたくなるので、誰もやりたがらない役割を最終的に担うことで、評価が高くなるケースもあるということも覚えておくとよいと思います。
いずれにしても、役割に有利・不利はあまりないこと、状況によっては何らかの役割を担わざるを得ない場合があることを踏まえ、いずれの役割もある程度は事前にイメージしておくとよいと思います。
グループディスカッションでマイナス評価となる避けるべき対応(NG対応)
次に、グループディスカッションでマイナス評価となる避けるべき対応(NG対応)を紹介します。マイナス評価となるような避けるべき対応(NG対応)を取らないようにすることで、選考を通過する確率を高めることができます。
一般的にグループディスカッションでマイナス評価となってしまう対応は、
①発言がほとんどない・他のメンバーの意見の同調しかしていない
②声が小さい
③1人だけ話し過ぎてしまう・自分の意見を主張し過ぎてしまう
④議論に集中していないような姿勢や態度が見られる
の4点があるとされています。それぞれの詳細については以下で解説していきます。
避けるべき対応①:発言がほとんどない・他のメンバーの意見の同調しかしていない
グループディスカッションはグループで協力して結論を導いていくものです。与えられた役割をしっかり行うということも大事ですが、結果的に「発言がほとんどない・他のメンバーの意見の同調しかしていない」ということになってしまうと、マイナス評価を受けてしまう可能性があります。
これは、書記やタイムキーパーであっても同じで、結論まで導こうと協力する姿勢が重要で、それをアピールするためにはある程度は自分自身の考え意を発信する必要があります。
「自分自身の考えが少ない」ということは自分の良さを伝える機会を逃していることにもなるので、「ほとんど発言できなかった」「全く自分の意見が言えなかった」という状況にはならないようにしましょう。
避けるべき対応②:声が小さい
これはグループディスカッションに限らないのですが、「声が小さい」と元気がないという印象を与えたり、自信がないという印象を与えてしまうのでマイナス評価となってしまう可能性があります。
そもそもグループディスカッションはグループのメンバー全員がディカッションの内容を理解しながら少しずつ結論に導いていくことになるので声が小さいと、何度も確認したりしなければならなくなり、時間的なロスにもつながってしまいます。
また、大学によっては1つの部屋で複数のグループがディスカッションを行っていることもあり、そのような場合に声が小さいと、周りの声でかき消されてしまうこともあります。
声が小さいと評価者にも自分の発言が伝わりにくくなってしまうので、会場に合った適切な声の大きさを出すようにしましょう。
避けるべき対応③:1人だけ話し過ぎてしまう・自分の意見を主張し過ぎてしまう
グループディスカッションも選考の場なので、自分自身をアピールすることは当然に必要になります。ただ、自分ばかり話し過ぎてしまうと、それが逆にマイナスな評価につながってしまうこともあります。
グループディスカッションでは、協調性が見られており、グループのメンバーの意見を引き出すことも重要なポイントとなります。
また、色々な意見が出る中で、自分の意見を強く主張し過ぎてしまうのもマイナスな評価になってしまいます。グループディスカッションはあくまで「グループとしての結論」を出す場になります。
メンバーの意見が変わらないからと言って、何度も自分の意見を通すために説得しようとしてしまったりすると、協調性がないと思われてしまいます。
このため、仮に明らかに自分の意見が正しく、メンバーの意見が間違っていたとしても、メンバーの意見も尊重をしながら、時には人の意見に譲るという場面も必要になってきます。
避けるべき対応④:議論に集中していないような姿勢や態度が見られる
グループディスカッションは30分~60分程度ディスカッションすることもあるので、徐々に気の緩んできてしまうこともあります。そのときに議論に集中していないような姿勢や態度が見られてしまうとマイナスな評価を受けてしまう可能性があります。
例えば、
・頬づえをついている
・腕や足を組んでいる
・貧乏ゆすりをしている
・ペンなどの筆記具を手で回している
・椅子にもたれ掛かっている
・ひじをついている
・髪をよくいじっている
などがあります。
あまり意識しないでやってしまう人も、ディスカッション中も常に面接官に見られているということは意識しておきましょう。
グループディスカッションで好印象を与えるポイント
続いてグループディスカッションで一般的に好印象を与えると言われているポイントを解説します。上記の「マイナス評価となる避けるべき対応(NG対応)」を意識しながら、ここで紹介する好印象を与えるポイントにある対応を面接官に伝えられるとより合格に近づけると思います。
ここで好印象を与えるような対応ができれば、この記事でも紹介している5つの評価項目の評価もおのずと高くなっていきます。
一般的に好印象を与えるポイントは、
①役割をしっかりとこなす+役割にない付加価値を出す
②メンバーへの配慮が見られる
③アイデア力がある
④結論を導こうとしたり議論の質を高めようとする姿勢が見える
の4点があると考えています。それぞれの詳細については以下で解説していきます。
好印象を与えるポイント①:役割をしっかりとこなす+役割にない付加価値を出す
まずは自分が担った役割をこなすことが重要になります。グループディスカッションでは事前に役割を決めている以上はその役割をしっかりとこなすことが前提になります。
そのうえで司会であれば、単に進行するだけでなく「話の引き出し方がうまい」や書記であれば単に記録を残すだけでなく「要点をまとめるのがうまい」などという印象を残すことで好印象を与えることができます。
また、自分の役割だけでなく、議論の方向性をよい方向に導いたり、発表者でない人が「こういう発表の仕方はどうですか」などと提案したりするのもよいと思います。
このように自分の役割を普通の人よりもしっかりとこなしている印象を与えたり、自分の役割以外のところでグループに貢献することができると好印象を与えることができます。
好印象を与えるポイント②:メンバーへの配慮が見られる
グループディスカッションでは、どうしても「何か爪痕を残したい」と思ってしまうのが普通ですが、そのような中で他のメンバーを引き立たせたりするなどの配慮が見られると好印象を残すことができます。
他のメンバーの意見を否定しないというのは当たり前ですが、例えば、発言が少ない人に対して「〇〇さんは自己紹介のときに〇〇と言っていましたが、何か知っていることはありますか」と話を振ってみたり、少しわかりにくい意見をした人に対して「今のお話は〇〇ということですか。おもしろいですね」などと言って内容の確認をしつつ褒めたりするりするようなイメージです。
また、発表者が発表する内容をまとめる際に悩んでいたりしたら、自分の役割りは終えていたとしても親身になって一緒に考えている姿勢を見せたりするのもよいと思います。
このような他のメンバーへの配慮が見られると好印象を与えることができます。
好印象を与えるポイント③:アイデア力がある
グループディスカッションという試験の性質上、やはり幅広い意見を持っていたり、おもしろいアイデアを持っていると好印象につながります。
これはもともと発想力が豊かな人でないとできないような気もしますが、大学職員採用試験のグループディスカッションの場合は、大学に関するテーマが出されることが多いので、ある程度事前準備をすることができます。
このため自分には「アイデア力はない」と思っている人でも、事前にグループディスカッションで出されそうなテーマに関する大学の業界研究や各大学で実施されている取組を調べておくことで、色々な提案ができるようになります。
逆に、普段はアイデアマンであっても、一定の知識がないとよい意見が出せないので、グループディスカッションの場合は、しっかりと準備した人のほうがアイデア力があることをアピールできたりもします。
好印象を与えるポイント④:結論を導こうとしたり議論の質を高めようとする姿勢が見える
グループディスカッションでは与えられたテーマに対しての結論を出す必要がありますが、ディスカッションの途中で議論が拡散したり、結論が見えないまま漫然とディスカッションが進んでしまうということもよくあります。
このようなときに、意味のあるディスカッションにするために、議論の方向性を正したり、結論までの道筋をメンバーと確認しながら進めようとしたり、議論の質を高めようとしている姿勢を見ると、仕事でもうまく立ち振る舞えるのではないかというイメージができて好印象につながります。
よく時間内に議論が深まらず発表の直前にあせってしまうというグループも多いのですが、そのようにならないようにディスカッションを進めることができれば、面接官としても高評価をしてしまいます。
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私がグループディスカッションの面接官を担当した際にプラス評価とした対応とマイナス評価とした対応
上記では一般的に「好印象を与えるポイント」と「避けるべき対応(NG対応)」をおたえしましたが、ここでは私が実際にグループディスカッションの面接官を担当した中で、プラスの評価として受け取った対応と、マイナスの評価として受け取った対応を紹介しますので、参考にしていただければと思います。
私がプラスの評価とした対応
・司会が決まらないときに空気を読んで司会を担当した
・頑張って議論を盛り上げようとする姿勢が見えた
・他のメンバーへの配慮が見えた(意見を言えてない人に気を遣う)
・自分の考えをしっかりと持って説明ができていた
・新たな視点からの提案をした
・司会でなくてもちゃんとまとめるよう誘導していた
・メンバーの意見を取り入れながらまとめられていた
・議論の方向性が定まらないときに議論を整理し結論にもっていくような発言をした
私がマイナスの評価とした対応
・ほとんど話さなかった
・自分の意見がなかった(人の意見の同調ばかりであった)
・声が小さかった(元気がなかった)
・長く話過ぎていた(何を言いたいかがわからなかった)
・自分の主張が強すぎていた(自分自身のアピールばかり目立っていた)
・人の話を遮っていた
・テーマからずれた話をしているのに気が付いていなかった
・なんとなくだらしない印象を受けた
・なんとなく失礼な態度が見受けられた
大学職員採用試験でグループディスカッションはどれくらい実施されているのか
大学職員採用試験でグループディスカッションを実施している大学はそこまで多くなく、全体の1割程度という印象です。
これは、グループディスカッションは、他の選考と比べて受験者の役割が異なっていることもあり評価が難しいことや、発表までやるとなると当日の進行も含めて採用側の負担が大きいことが理由にあると考えられます。
このため、グループディスカッション試験対策を行う際は、応募した大学でグループディスカッションが実施されることがわかった時点で準備を進めればよいと思います。
大学職員採用試験で実際に出されたグループディスカッションのテーマ
大学職員を目指す方にとっては、大学職員採用試験で実際にどのようなテーマが出されているかを知っておくことで、試験対策を進めやすくなると思います。
そこで、大学職員採用試験を受けた方から情報提供いただいた実際に出されたグループディスカッションのテーマをご紹介します。
グループディスカッションのテーマは、試験当日に出されて、基本的にそのテーマが書かれた用紙を持って帰ることができないため、情報提供いただいた方のご記憶の範囲になります。
このため、実際の内容と文言が少し異なる場合もありますが、趣旨的には間違いはないと思うので参考にしていただければと思います。
実際に出されたグループディスカッションテーマ一覧
・大学のこれからの課題とその解決策
・少子高齢化と18歳人口減少について大学はどう応えるか
・学生に新しく提供するサービスとしてどんなものが考えられるか
・本学のブランド力を強化するためにどのような施策が必要か
・本学でグローバル化を推進するために必要な取組は
・新型コロナウィルスの感染拡大により、東京一極集中から地方への分散の動きが加速するとともに、オンライン授業の拡大などが急激に進んでいる。このような状況の中で本学は今後どのように変化していくべきか。またその中で,本学職員はどうあるべきか。
グループディスカッション対策の進め方
最後に簡単ではありますが、グループディスカッション対策の進め方を紹介します。グループディスカッション対策については、この記事でもご紹介している内容を活用しながら、
①グループディスカッションという試験の特色を理解する
②自分自身が担える役割をイメージしておく
③マイナス評価になる対応・好印象を与える対応を理解する
④想定されるテーマに関して大学が置かれている状況を理解したり関連する施策を調べる
の順で進められればよいのかなと思います。
「④想定されるテーマに関して大学が置かれている状況を理解したり関連する施策を調べる」については他の面接にも活用できる知識になるので、グループディスカッション後の個人面接にも活かせると思います。
グループディスカッション対策をどのように進めればよいかわからないという方は、上記を参考に進めていただければと思います。
グループディスカッションで好印象を与えるポイントや準備すべきことまとめ
グループディスカッションは役割分担があったり、同じグループのメンバーに少なからず影響を受けるなど、他の試験と異なる難しさがあると思います。
また、ディスカッションの中では、自分なりの意見を発信する必要があるので、事前に業界研究や各大学の施策を調べておくことも必要になります。
ただ、準備が必要な分、準備をした人としていない人ではそれなりの差が出ると思うので、グループディスカッションで不合格になりたくないという人はぜひ事前準備にも力を入れていただければと思います。