大学職員歴10年以上で、採用試験の面接官を担当させていただいている私が、ここ最近の大学関連のニュースで、先進的でおもしろいと感じた取組や知っておくべきと感じた事例について、分野ごとに各取組・事例の概要をまとめさせていただいています。

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2019年3月前半は計24件のニュースを紹介いたします。

このブログではその内容の一部をご紹介させていただいております。

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目次

第1章 教育改革に関するニュース
 1 特色のある授業・教育の取組【2件】
 2 学習支援・教育環境の整備【1件】
 3 リカレント教育・生涯学習【3件】

第2章 学生支援に関するニュース
 1 キャリア・就職支援【1件】
 2 経済支援【2件】
 3 学生生活・課外活動支援【2件】

第3章 入試・広報に関するニュース
 1 高校生を対象としたイベントや高校との連携【2件】

第4章 グローバル化(国際化)に関するニュース
 1 日本人学生の語学力を高める取組【1件】
 2 外国人留学生の支援【1件】

第5章 その他のニュース
 1 文部科学省・大学業界等の動向【2件】
 2 新設大学・新学部等の設置【1件】
 3 保護者向けの取組【1件】
 4 寄附金等の大学の収入を増やす取組【1件】
 5 大学ランキング・統計調査等【2件】
 6 その他特色ある取組やニュース【2件】

第1章 教育改革に関するニュースの紹介

1 特色のある授業・取組

(1)産学連携で宅配弁当を開発
<実施大学>
酪農学園大学

<取組の概要>
酪農学園大学食と健康学類管理栄養士コース栄養教育学研究室(杉村留美子准教授)は、ゼミ生の学びの一環として、産学連携の取組を行っており、株式会社札幌海鮮丸と国分北海道株式会社と共同で2種類の宅配弁当を開発しました。

このプロジェクトは、健康に配慮した食事の提供を常に心がけている宅配すしの札幌海鮮丸が賛同することでスタートし、「食」に関する健康志向が高まっている中で、高齢者などを中心に客層を拡大することを目指すことを目的としていました。

メニューは、3年生の女子学生6人がメニューを考案し、塩分控えめで栄養バランスの取れた商品となっています。

◆開発した宅配弁当①「すずらん」
・メニュー
 もち麦入りカルフォルニアロール、一口おにぎり、手まり寿司、いなり寿司、メンチカツ、サラダ、きんぴらごぼう、白和え、わらび餅

・ポイント
 もち麦を使うことで血糖値を気にしている人も安心して食べられる。「低GI値」の食材はカロリーがきちんと摂れて、血糖値は上がりにくいのが特徴。栄養バランスが良く、子どもから大人まで毎日食べられるメニューとなった。

◆開発した宅配弁当②「すずらん」
・メニュー
 三種まり寿司、白だし香るあっさり梅うどん、炙り焼きチキン、彩サラダ、アンサ  ンブルエッグ、きんぴらごぼう、白和え、わらび餅

・ポイント
 高齢者にも食べやすい食材であるうどんを主食にし、ご飯が食べたくないときでも食べられる。だしは濃くなくあっさりとした味付けを心がけた。

<取組に対するコメント>
酪農学園ならではの取組だと思いますが、実際の企業が抱えている課題に対して、学生がアイデアを出して解決していくという教育は、企業と大学双方にとってメリットのある取組だと思います。

今回は、「高齢者を意識した宅配弁当の開発」というテーマでしたが、企業が抱えている課題は様々なものがあるので、大学職員としては、どのようなテーマで連携できるかということについてアンテナを張り、大学職員が中心になって調整をしていけると、大学職員の存在意義も上がっていくと思います。

(2)学生が本物のウエディングをプロデュース
<実施大学>
共栄大学

<取組の概要>
共栄大学は、株式会社JTBとの産学連携プログラム「ワールドラン2018」の一環として、学生が本物のウエディングをプロデュースしています。

具体的には、1年間、毎週の授業でウエディングの知識を学習し、関連企業や施設での研修、グアムでの模擬挙式等を経て、実際に「本物の結婚式」を実施しています。

最初の企画や打ち合わせから、当日の進行までを手掛けることで、学生たちにとって貴重な経験が得られるものとなっています。

<取組に対するコメント>
多くの大学で企業と連携した授業を行っていますが、結婚式のプロデュースをテーマにするのは初めてだと思います。

結婚式自体も模擬ではなく実際に結婚される方のもので実施しているので、非常に貴重な体験になったのではないかと思います。

実際に社会に出て働くことになれば、様々な種類のプロジェクトのような仕事を進めることになるので、学生時代にこのような大きなイベントの体験をできるプログラムは、学生にとってもすごく魅力的に映ると感じました。

2 リカレント教育(生涯教育)

(1)リカレント教育(社会人学び直し)プログラムの実施
<実施大学>
茨城大学

<取組の概要>
茨城大学は、社会人の多様な学び直しのニーズに応え、人材育成を通じて地域創生にも生かすことを目的に、リカレント教育(社会人学び直し)のプログラムを本格的に開始することとしています。

具体的には、オープン、専門、カスタムの3コースを設置することとしていますが、カスタムコースについて、2019年4月に先行して開設することとしています。

カスタムコースでは、大学側が企業や団体の要望に応じて教育プログラムを提供する形で、国際教養やAI(人工知能)、科学技術など、学びたいテーマに応じて柔軟に設定していくこととしています。

<取組に対するコメント>
リカレント教育については、多くの大学で様々なものが実施されるようになってきています。

その中で、1日で完結するものから、1年間継続して学ぶもの、学位の取得ができるものなど学ぶ期間も様々なものがあります。

このため、各大学がどのような社会人をターゲットにし、社会人がどのようなニーズがあるかを確認したうえでプログラムを設計する必要があります。

しっかりとニーズに合ったプログラムを開設しないと、学生が集まらないという事態になってしまうので、単に時代の要請に流されるのではなく、戦略的に実施していく必要があると思います。

(2)誰でも気軽に学べる「いばらきカレッジ」を開講
<実施大学>
筑波学院大学

<取組の概要>
筑波学院大学では、「いばらき地域づくり大学・高専コンソーシアム」が主催する連携公開講座として、誰でも気軽に学べる「いばらきカレッジ」を開講しました。

このコンソーシアムは、茨城県内の高等教育機関相互の関係を深め、連携・協働して地域の振興・発展に寄与することを目的に設置されたもので、県内の12大学1高専の計13校が加盟しています。

連携公開講座の開講は初めての試みであり、今回は「医療・健康」をテーマに実施されました。

<取組に対するコメント>
この取組は、地域にターゲットを当てて、比較的わかりやすいテーマで実施しています。

どちらかと言うと、地域の方に学ぶ機会を提供するという性質が強いため、社会貢献に近い取組のような気もしますが、地域の方に大学を知っていただいたり、活用していただく機会にもなるので、よい取組だと思います。

第2章 学生支援に関するニュースの紹介

1 キャリア・就職支援

(1)2020年3月卒の就活がスタート
<ニュースの概要>
2020年3月卒業予定の大学生を対象とした企業の採用説明会が3月1日に解禁され、就職活動が本格的にスタートしました。

就職活動の開始時期は、採用活動の早期化していることは、学業に与える影響が大きいということで、経団連の指針により、2017年3月卒業の学生から現状のスケジュール(3月に採用説明会等を開始し、6月から面接等を開始する)に変更になりました。

しかし、経団連の指針に強制力はなく、通年採用などルールに縛られない採用形態をとる企業もあることから、経団連指針の形骸化も指摘されています。

実際に、リクルートキャリアの調査によると、2020年3月卒業の学生向けの採用活動で、3月までに面接を始めるとした企業は39.7%(前年は32.6%)、内々定を3月までに出し始める企業も18.7%(前年は12%)となっている。

<ニュースに対するコメント>
大学のキャリア・就職支援は、就職活動の開始時期を見据えてイベントスケジュールを組むケースがあります。

このため、大学職員でキャリア・就職支援の仕事をしたいと考えている人は、このような採用に関する動向については常にアンテナを張っておく必要があります。

個人的には、外資系企業を含めて、多様な企業が採用活動を行うようになってきているので、一律でスケジュールを決めることはどんどん難しくなってくると思います。

実際に社会に出たら、様々な仕事を並行して進めなければならないので、学業と就職活動をうまくバランスをとりながら進められるようになるとよいとも思います。

ただ、あまりにも学生に大きな負担がかかってしまうのもよくないと思うので、なかなか理想形が見えない状況ではありますが、大学職員としてもどのような形が望ましいかを考えていく必要があると思います。

当面は、通常の採用スケジュールだけでなく、それよりも前に採用活動を進める企業がある中では、早期に採用活動を始める企業に間に合うようなキャリア・就職支援をしていくしかないと思います。

第3章 入試・広報に関するニュースの紹介

1 高校生を対象としたイベントや高校との連携

(1)都立高校と連携した一貫教育の実施
<実施大学>
首都大学東京、東京農工大学、東京学芸大学、東京外国語大学、電気通信大学

<取組の概要>
東京都内の5つの大学(首都大学東京、東京農工大学、東京学芸大学、東京外国語大学、電気通信大学)は、都立高校と連携して専門性の高い人材を育成するため、東京都教育委員会と協定を締結し、高校生でも大学の指導者の講義を受けたり、研究に参加したりできるよう取組を実施していきます。

各大学が得意とする専門的な分野を高校生のときから一貫したカリキュラムで学ぶことで、将来の研究者としての素養を育むのも狙いの1つとなっています。

また、大学入試への準備で学習、研究が中断しないよう、高校での成果を評価して入学する特別入試を検討することとしています。

<取組に対するコメント>
現状の日本の教育制度では、高等学校は3年間通学しなければ卒業できない制度になっています。

しかし、レベルの高い高校生については、学業だけであれば、早い段階で高校レベルをクリアしてしまう学生もいると思います。

そのような学生には、早い段階で、より高度な教育を受けてもらったほうがよいと思うので、この取組は非常に意味のある取組だと感じました。

大学や大学院でも、一定の要件を満たせば早期卒業という制度もあるので、高校でもそのような制度があってもよいのかもしれません。

第4章 グローバル化(国際化)に関するニュースの紹介

1 日本人学生の語学力を高める取組

(1)異文化コミュニケーションスペースの設置
<実施大学>
武蔵大学

<取組の概要>
武蔵大学では、グローバル教育の一環として、学内で気軽に外国語でコミュニケーションできる国際村(Musashi Communication Village:MCV)の運営を行っています。

MCVでは、英語が公用語となり、様々な国や地域出身のスタッフと実践的な異文化コミュニケーションを体験できるようになっています。

また、外国語学習の専門家による一人ひとりに合った学習のアドバイスや、マンツーマン・少人数英会話レッスン、ハロウィンなどの異文化体験イベントなど、様々なプログラムを用意しており、楽しみながら外国語を身につけられるようにしています。

<取組に対するコメント>
現在の学生の中には、留学に行きたくても行けない学生や、留学後に継続的に外国語を学ぶ環境が足りないなどの問題があったりしますが、武蔵大学のMCVは、これらの課題の解決策の1つになると思います。

また、MSVでは、単に語学能力の向上のサポートを行うだけでなく、世界各国のお祭りやお菓子作りなどを通じて語学力が学べるようになっており、非常に工夫された取組だと感じました。

留学生がいる大学では、留学生がスタッフになることで、「学生が学生を支える」仕組みとすることができるので、学生にも運営に携わっていただきながら、このような取組を進められるとよいと思います。

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2019年3月後半は計24のニュースを紹介しています。
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