今回は、公務員から地方私立大学への転職を検討しているHさんからの相談事例の紹介です。

Hさんは、すでに地方の私立大学の内定を得ていますが、合格してから、よりランクの高い他の私立大学への転職のために内定を辞退すべきか、それともこのまま合格した大学に転職すべきかについて悩んでおられました。

そのような中で、いくつかのご質問をいただき、私なりの回答をさせていただきました。

質問①:周りに公務員から私立大学に転職した方はいるか

私は大学職員になって10年以上になりますが、公務員から私立大学に転職した方は数人ですが実際にいらっしゃいます。

逆に、大学職員から公務員になるという方はもう少し多く聞いたことがありますが、公務員から私立大学はやはり少ない印象です。

これは、一般的には私立大学職員よりも公務員のほうが安定していること、公務員になってから転職を考える方はそこまで多くないことなどが要因だと考えております。

ただし、全くいないわけではないですし、私立大学も大学によっては民間企業よりも圧倒的に安定しておりますので、仕事内容に魅力を感じるのであれば、公務員から私立大学職員になってもよいかと思います。

質問②:〇〇大学(内定を獲得した大学)の将来性に問題はないか

〇〇大学(内定を獲得した大学)の将来性については、現在の入試状況、廃校になる大学の条件への合致度、大学のランク等の観点から確認をさせていただきました。

現状の入試状況

現状の入試状況は、必ずしも将来に渡って継続することを保証するものではありませんが、現時点の入試状況が芳しくない場合は、将来的に廃校になる可能性が高くなります。

〇〇大学(内定を獲得した大学)の2018年4月入学の入試状況を確認したところ、ほとんどの学部・学科で入試倍率が出ており、入学定員充足率(入学定員に対する入学者)も満たしているので、入試状況としては問題ないと考えられます。

廃校になる条件に合致しているか

これまでに廃校になった大学の条件に合致するかどうかも、1つの将来性を見る観点になるため確認をいたします。

これまで廃校になった大学の特徴としては、①「大都市ではない地方にある大学」、②「小規模大学」、③「人気のない分野の単科大学」の3つがあると考えられます。

〇〇大学(内定を獲得した大学)については、〇〇県はここでいう地方に当てはまらないこと(一定の規模以上の都市であること)、総合大学で、大学の規模的には「大規模大学」に位置付けられることから、廃校になる条件には合致しないと考えられます。

大学のランクについて

現在は、大学間の競争が激しくなっており、魅力がない大学は廃校になっていくのではないかとの懸念があります。

一方で、高校生が進路選択の際には、自分に合った大学を選択するという観点ももちろんありますが、基本的には大学のランクを見て、自分のレベルに合ったランクの大学に受験する傾向が強いです。

このため、一度イメージのついたランクはなかなか変動することはなく、一定の位置にいる大学は、黙っていても学生がそれなりに集まってくるような状況にあります。

例えば、東京で言えば、早慶上智、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)などという昔からのランクがあります。

このような一度ついたランクは、いくら下位の大学が頑張ったとしても、なかなか逆転することはできません。

これは、高校の先生や塾などが、それぞれの実績をアピールするために、以前からあるランクの高い大学に学生を勧め、その実績で宣伝をするので、結果的にランクは変わらないままとなります。

〇〇大学(内定を獲得した大学)の〇〇県内のランクを確認すると、国公立大学を含めると計〇大学ある中で、中盤から中盤よりやや下に位置しています。

単純に日本の大学に進学する人数が半分になれば廃校になるような気がしますが、人口減少は地方のほうから進行していくこと、〇〇県には計〇校の専門学校があり、大学よりも先に専門学校が廃校になると考えられることなどを踏まえると、〇〇県の中堅の大学であれば、特に大きな問題が起こらなければ、廃校になる危険性はそこまで大きくないと考えられます。
 

高等教育無償化の動き

2019年10月から消費税が10%になることが予定されていますが、消費税によって増えた税金の一部、「高等教育無償化」のための費用として、大学や専門学校などの授業料の補助に充てられることになっています。

国公立大学については、無償化になると言われていますが、私立大学については、現在の授業料の半額程度の負担で済むようになると言われています。

また、その他にも、入学金が免除になったり、在学中の生活費的な補助が行われることとなっているため、大学の進学率は上がると言われています。

まとめ

以上の状況を踏まえると、〇〇大学(内定を獲得した大学)は、上位の大学ではありませんが、〇〇内で一定のランクに位置づけられていることなどから、廃校の危険性は少なく、将来性はさほど問題はないと考えられます。

私からのアドバイス

私は民間企業で5年程度勤務した後に、大学職員に転職をしており、転職をしたいという方の気持ちはわかっているつもりです。

これは、私も含めてですが、私の勤務している中で感じることとしては、他業界から転職した人は、元の業界と比較することができ、比較してみると、ほとんどの方は大学のほうが働きやすいと感じており、更なる転職を求めることは少ない傾向があると感じています。

一方で、新卒として大学職員になった方は、どうしても比較対象がないため、先輩達が大学職員の良さなどを説明しても、「一度は別の道も経験してみたい」という思いを捨てきれず、他の業界に転職したいと考える人が一定程度います。

〇〇様は、新卒として公務員となられていると思うので、公務員がよいのか、大学職員のほうがよいのかの判断は、比較する経験がない以上、なかなか難しいと思います。

そのような状況を踏まえ、もし、現在の公務員という職場が合わず、長期的にも改善の余地がない(人事異動があってもその思いが変わる余地がない)などという場合は、まずは〇〇大学(内定を書く獲得した大学)への転職を決めてもよいと思います。

逆に、現在の職場がそこまで悪くないというのであれば、納得のいく転職先が決まるまでは、現状の職場に留まるという選択もありだと思います。

また、少し別の観点になりますが、大学職員を退職し転職する方の再就職先を聞いてみると、大学職員として別の大学に転職するという方もそれなりにいます。

このため、〇〇大学(内定を獲得した大学)にまずは転職をして、その後、より上位の大学の職員を目指すということも考えられます。(一般的に中途採用の募集は30歳又は35歳くらいまでを要件とする大学多いです。)

単に、将来的に廃校にならないかが心配であり、大学職員の仕事や労働環境に強く魅力を感じているのであれば、今後、希望の大学の中途採用の募集があるのかもわからないですし、それに合格できるのかはわからないので、まずは〇〇大学(内定を獲得した大学)への転職を決めるという考え方もあると思います。

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